海洋ゴミから誕生するアート ブルース・オズボーンの写真展「Nature Calls」 東京・丸の内で6月30日まで
日本のみならず世界の親子を40年にわたり撮り続ける写真家、ブルース・オズボーンさんが、新シリーズとして海辺の海洋ゴミをモチーフに制作した作品を撮影した写真展「NATURE CALLS」を、日本外国特派員協会(千代田区丸の内)で2023年6月30日まで開催します。
ブルース・オズボーンさんは1980年の写真展「LA Fantasies」をきっかけに、日本での活動を本格的開始。コマーシャル写真家の一方、2003年に7月第4日曜日を「親子の日」にと提唱しました。
1982年からスタートした親子をテーマに写真撮影では、撮影した親子の数は8500組以上。国内に限らずシンガポールやアメリカなど海外でも数多くの展示会が開催されました。写真家としてはInternational Photography Awardsなど多数の受賞経験を持つ他、写真集「OYAKO」でも高い評価を得ました。 「親子の日」の10周年記念に制作した映画「OYAKO」はベルリン国際映画祭(ifab)でベストドキュメンタリー賞を受賞しました。葉山に移住した2003年から始めたビーチコーミング(海岸や浜辺に打ち上げられた漂着物を収集すること)をきっかけに環境をテーマにした写真も数多く発表しています。
<作家メッセージ>
海辺の町に住むようになってから、早くも20年がたちます。
貝殻やシーグラスを見つける楽しみ、個性的なかたちの流木やカラフルなプラゴミを収集するなど、浜辺の散歩は飽きることがありません。砂浜はまるで自然と社会の縮図のようで、いろいろな拾い物をしては考古学者気分で楽しんでいたものでした。
しかし、プラゴミが海洋生物に重大な被害を与えていることを知り、写真家としてこの課題に対してできることは何かという試行錯誤がはじまりました。
プラスチックによって、鳥や魚だけでなくすべての海洋生物が深刻な健康の問題に直面しているという事実。細かく分解されたマイクロプラスティックが食物連鎖によって生命全体を脅かす恐怖。
現代社会に深く根付いているプラスチックがない世界を想像することは非現実的ですが、心がけ次第では、プラスチックへの依存度を消極的にしたり、リサイクルやアップサイクルのアイディアをフル活用することで課題解決に取り組むことはできるはず。
忘れてならないのは、海洋ゴミの大部分は海岸や海洋投棄から出たものではなく、雨水管や川を通って海に流れ込む都市廃棄物だということ。
今回の写真展示が、海洋ゴミの課題は私たちの日常の一部であることを再認識しほしいと願っています。
【ブルース・オズボーン写真展】
期間: 2023年6月3日~6月30日
会場: 日本外国特派員協会(東京都千代田区丸の内 3-2-3 丸の内二重橋ビル5階)
テーマ: NATURE CALLS
URL : https://www.fccj.or.jp/number-1-shimbun-article/nature-calls