デザイン優先と思っていたくねくね手すり 杖が手放せない人が使ってみてびっくり! 「もっぺん登りたいと思った階段はこれが初めて」と絶賛

駅や公園、商業施設などに設置されている階段の手すり、くねくねした形のものを見かけたことはありますか。ずっと面白手すりと思ってました。開発した人、ごめんなさい。

百貨店の天満屋岡山本店に出掛けた汐鈴(@cio_lunacy)さん。地下からの階段で見かけた波形手すりに、最初は「しょーがねぇなぁ。デザイン優先で使いにくいのは困るのになぁ」と思ったそうです。が、その印象は階段を上り始めるや吹き飛びます。「これがめっちゃ使いやすいの。体引っ張り上げるときも、押して体支えるときも、手首に負担がほとんどいかないの!斜めになってる部分に自然と手が行くんだけど、それがまためっちゃいい感じなのよ!」という驚きの現場レポートのツイートは3万以上のいいねを集めました。

■「もっぺん登りたい」

「もっぺん登りたいと思った階段はこれが初めてだわ」と絶賛した汐鈴さんに聞きました。

ーー天満屋の波形手すりについては以前から気になっていたのでしょうか。

「この手すりはクネットというそうです。お恥ずかしながらこれまで存在を意識したことはありませんでした。リプライを多くいただき、バス昇降口の黄色いカーブした手すりとか『言われてみればアレもそうだったのかな』と。実際に認識して使ったのは今回が初めてです」

ーー「もっぺん登りたいと思った」とはどんな感覚でしたか。

「よいしょと力を入れた途端にいつもよりずっとずっと楽に登れてしまって、とにかくビックリでした。夫は先に行ってしまっていたので引き返せませんでしたが、『今のは何だったんだろう』後ろ髪をひかれる思いでした。普段から右手は杖、左手で手すりを使って腕の力で階段の上り下りをしているので、形状を変えるだけでここまで楽になるなんて嘘みたいという感じでした」

ーー汐鈴さんの投稿がまとめられ、この手すりが各地にあることが分かりました。

「『前からあります』『これもそうです』みたいな写真のリプライをたくさんいただき、世の中ってすごく便利になってたんだなぁ!と浦島太郎的な感覚を味わっています。

私と同じように『知らなかった』『試してみたい』という方もたくさんいて、発信して本当に良かった、みんなこの快適さを味わって!という気持ちでいっぱいです。一方、

不便だ、使いにくいというご意見もあって、UDって本当に難しいんだなぁとも思います。今回投稿した天満屋の階段は、左右の壁際にこの手すり、真ん中に通常のストレート手すりがあり、どちらでも選択できる構造なのでいっそう良いのだなぁと思います」

■ひざへの負担が激減

クネットを製造販売するのは同名の株式会社クネット(東京都)です。階段・スロープ用の歩行補助やトイレ・風呂・玄関用の動作補助などのさまざまなシーンに対応できるクネットを手掛けています。

「取っ手」のように使える垂直部と「杖」のように使える水平部を連続させた波形のクネットは、従来の直線型の手すりに比べて握った時の手首の角度が自然なため、握り込みやすく、滑りにくいのが特長です。滋賀県立大学工学部の人間融合工学研究チームと同社の共同研究では、手すりに水平部分があることで体を支えやすくなり、ひざへの負担が3分の1以下になるという測定結果が得られました。

同社によると、以前にクネットを取り扱っていた株式会社クネット・ジャパンの分も含め、設定された場所は全国53000件以上になるといいます。滑りにくく支えやすい波形手すり。皆さんの身近な場所で活躍しているかもしれません。

(まいどなニュース・竹内 章)

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