「首都高はサーキット」160キロ暴走男 オービス38回光らせ累積76点 「もう暴走はしません」刑務所経て改心した理由とは

首都高を時速160キロで暴走し、「首都高はサーキットだ」と言ってのけた男性がいます。逮捕時、警察に言い放った言葉で、「もっとスピードを出したこともある」とも供述したと報道されました。

悪事を開き直ったような「サーキット発言」はネットで広がり、その後、「首都高はサーキットではありません!」が首都高の標語になりました。逮捕から3年、当時20歳だったユウヤ(@rumor_115)さんは「反省しています。もう暴走はしない」と神妙に語ります。服役中に何があったのでしょう。かつて暴走行為をしていたユウヤさんに話を聞きました。

■オービスを38回光らせ、免許取り消し

千葉に住んでいたユウヤさんは、深夜の首都高速道路を猛スピードで走るいわゆる「ルーレット族」でした。2020年、赤いフォルクスワーゲンで最高速度80キロの首都高を160キロで暴走し、首都高の壁にぶつかる単独事故を起こして「首都高はサーキット」発言が飛び出しました。

ーー本当に160キロ出していたんですか。

「160キロ以上出ていましたね。オーバースピードでコーナーに突っ込み、リアタイヤが滑ってスピンしました。幸か不幸か、けがは全くありませんでしたが、死んでもおかしくない事故でした」

ーー逮捕時に「首都高はサーキットだ。もっとスピードを出したこともある」と供述したと報道されました。本当に言ったんですか。

「言いました。首都高はリズム感がサーキット場と同じで、感覚的に同じように走れるんです。警察への対抗心もあったと思います。

でも、もちろんサーキットではありませんし、トラックや普通の乗用車が仕事や生活のために利用する道路です。反感を買う発言ですし、今考えれば『普通言わないよな』と思います」

■刑務所に入っても支えてくれた人

ユウヤさんは160キロのスピード違反で逮捕され、オービスを38回光らせるなどして免許取り消しになりましたが、その後も無免許で車を運転し、千葉県内で車両が大破、炎上する事故を起こし、車を放置して立ち去った疑いで再び逮捕されました。

ーーなぜ免許取り消し後、無免許運転をしたのでしょう。

「…事の重大さが分かっていませんでした。その後、千葉県警にも過去の無免許運転で逮捕され、さまざまな交通違反の累積で川越少年刑務所に約2年間入りました。強盗、殺人などの凶悪犯もいて、人身事故でも飲酒運転でもない交通違反で入った私はレアケースだったと思います。

刑務所では自由はないし、すべて決められた通り動かないといけません。でも、そういう場所でしか学べないこともありました」

折り目正しく、記者の質問に答えるユウヤさん。警察に「首都高はサーキットだ」と言い放った人とは思えません。聞けば、刑務所に入ってからも、支えてくれた恩人がいたと言います。

「お世話になっていたカーショップの方が、服役中も見捨てず、何かと面倒を見てくれました。手紙でずっとやり取りし、面会にも来てくれました。

その方に言われたんです。『きちんとお前が反省して、もう一度やり直したいなら、ドリフトの競技大会に出る夢も手伝う。でも、二度と同じこと(暴走)やるなよ。公道で同じこと(暴走)をやったら今回限りで縁を切る』と」

ユウヤさんが免許を取れない欠格期間は5年。2025年には再び免許を取ることができます。

「もし免許を取ることができても、これまでのような(暴走する)乗り方はしません。サーキットで走りたいです。

もう落ち着いたし、(お世話になったカーショップの先輩に)恥をかかせられませんから。そんな風に思うようになったのは初めてのことです」

ユウヤさんは現在、平日現場仕事で働きながら、週末は車屋でアルバイトし、洗車や整備、オイル交換などを行っています。「(週末も働くのは)寝不足でキツいけど、車をいじるのは好きなので」と話していました。

(まいどなニュース・伊藤 大介)

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