ショートヘアでMV出演「深津絵里さんに似てるね」 香港映画『星くずの片隅で』のアンジェラ・ユン 来日回数は数知れず「下北沢が大好き」
オダギリジョーとの共演経験もあり、2023年春、紅白出場歌手Vaundyの『Tokimeki』MVへの出演で「か、かわいい…」と話題になった。
香港出身のモデルで女優のアンジェラ・ユンが、7月14日公開の映画『星くずの片隅で』PRのために緊急来日。とにかく日本が大好きで、来日した回数も数えきれないという。実はこのPR来日も、友人とのプライベート日本旅行の合間を縫ってとのこと。「日本はラーメンも素晴らしい国」。真の親日派女優が日本の魅力を熱弁する。
■アドリブで日本語セリフを
コロナ禍の香港を舞台にした『星くずの片隅で』でアンジェラが演じるのは、貧困にあえぎながらも前向きな気持ちで幼い娘を育てるシングルマザーのキャンディ。キラキラしたつぶらな瞳と笑顔がまぶしい役どころだ。
「演じる上で目力を意識したことは特にありませんが、全身全霊でキャンディを演じていたために、もしかしたら私の目が象徴的に映ったのかもしれません。友人からはよく『あなたの笑顔は人に伝染する』と言われます。冗談を言ったときにたとえそれが面白くなくても、私は自分自身で楽しんでしまってついつい笑ってしまう。すると周りも私につられて笑う。自分でも私の笑いには伝染力があると感じます」。アンジェラはその笑顔を浮かべてケラケラと笑う。
劇中でキャンディは挨拶程度の日本語を片言で喋る。それらはアンジェラのアドリブだという。「香港では日本のアニメが大人気です。特に若い人たちは大きな影響を受けていて、日常的に日本語単語を口にすることも珍しくありません」と説明しながら「劇中では漫画のキャラを模したコスプレ大会がクライマックスに用意されていることから、その伏線としてセリフにちょっとだけ日本語を足したら効果的だろうと思ったんです」と狙いを明かす。
■日本は第二の故郷
ちなみに香港では『SLAM DUNK』や『ハイキュー!!』などのスポーツ系アニメが人気らしい。「私もバレーボールのチームに入っているので、日本のスポーツ系アニメから覚えた日本語を使うことは多いです。“ガンバロー!”“モウイッカイ!”などの日本語はスポーツをやる若い人たちの間では共通言語のようになっています」と教えてくれた。
大の映画好きというアンジェラ。香港の映画好きの間では日本映画を観ることはマストになっているそうだ。「幼少期の頃は岩井俊二監督の『花とアリス』がお気に入りで、主演の蒼井優さんが大好きです。大人になってからは是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』にハマりました。香港では日本映画は日常的に鑑賞されていて、香港の映画好きにとっても必見作とされています」。
アンジェラ自身、映画『宵闇真珠』(2019年)でオダギリジョーと共演したり、二宮健監督が手掛けたVaundyの『Tokimeki』MVに出演したり。日本とは浅からぬ縁がある。「台湾人や香港人にとって日本は第二の故郷のようなもので、日本に対する憧れを抱いています。日本人は勤勉であり、礼儀正しく秩序を守る人ばかり。製造品やサービスのクオリティーもかなり高い。ラーメン一つにしても香港と違って日本はしっかりとこだわって美味しく作る。私たち香港人に欠けているものがすべて揃っているようで、そこに対する強い憧れがあります」と日本へのリスペクトを口にする。
■深津絵里に似ている?
来日した回数を訪ねると「日本に来るのはこれで何回目だろう?訪れすぎていて数えきれません。今日だって友人たちとのプライベート旅行の合間を縫っての取材対応です。下北沢や軽井沢などおしゃれな場所が大好き」とニッコリ。日本作品への参加にも前向きで「大好きな日本映画に出演することが私の夢です。そのためにはニホンゴ、モットガンバロウ!ちなみにVaundyさんのMV出演時はショートヘアだったので、深津絵里さんに似ていると言われました」と自己PRする。
趣味はバレーボールで、ポジションはストライカー。長身とすらっとした長くしなやかな腕が武器だ。「香港の中でも腕前としてはレベルの高い方だと思うので、バレーボールを題材にした日本の作品があったら出演したいです。役作りは完璧ですよ!」と業界関係者に届けとばかりに呼び掛けていた。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)