大雨を前に「見過ごせない…」保護した子猫は超・大物♡ 指をガブッと噛まれても可愛い
マシュマロくんは、2022年11月25日の夕方6時頃、埼玉県在住の齊藤さんが自宅の敷地内に仕掛けた捕獲器に入った。生後2カ月半くらいだった。
齊藤さんはもともと犬が大好きで、いつか飼いたいと夢見ていた。しかし、社会人になってからは仕事に追われ、30代の時には離婚。両親の介護・看取りと立て続けに色々なことがあり、ペットを飼う余裕はなかった。40代になり生活が安定したところで、犬と暮らすという夢を叶えるべく、里親サイトで保護犬を探したものの、独身で一人暮らしで譲渡条件の基準に合わず、断念せざるを得なかった。
「その頃、私の周りでは猫を飼う友人知人が増え、猫との生活話を聞くうちに、猫なら私でも飼えるかも!と思うようになりました。子供の頃はいつも猫がいる環境で育ったし、猫なら散歩の必要もない、住まいは持ち家なので傷をつけられても問題ない、と今の生活スタイルにフィットしたのが猫でした」
■保護した猫よりも、先に飼い主が病院へ
齊藤さんはビアちゃん、ピクルスちゃん、オリーブちゃん、ミモザちゃんという4匹の保護猫と暮らしているので、猫を飼い始めてから外猫が来るようになった。2022年の秋は立て続けに外猫が現れて、当時もすでに子猫2匹と人慣れしていない1歳ぐらいの成猫を保護していた。
「そんな状況の11月25日未明、外に設置してあるペットカメラにまた子猫が映っていたのです。しかも何度も!日中はいなくなってしまい、心配していたのですが、仕事から帰宅した時にペットカメラを確認したら、また同じ子がウロウロしていたので、大至急捕獲器を仕掛けました」
当時、保護していた子猫達はまだウイルス検査ができないほど小さく、隔離が必要という状況だった。そのため、齊藤さん宅にはこれ以上、猫を隔離できるスペースはなかった。
「でも、翌日は大雨の天気予報だったため、見過ごすわけにはいきませんでした。保護さえできれば何とかなると思い、祈りながら子猫が捕獲器に入るのを待ちました。ほどなくして、ガシャン!という音が聞こえて、捕獲器を確認したらカメラに写っていた子猫が入っていました。シャム猫のような顔をしていて、野良猫とは思えないほどかわいらしい子猫でした」
齊藤さんは、ひとまずお風呂場に捕獲器を持ち込み、子猫をネットに入れ、駆虫薬をつけてから、浴槽の蓋の上に設置したポータブルケージに入れた。
「よほど怖かったのか、私は左の人差し指をガブッと噛まれて3倍ぐらいに腫れあがってしまい、マシュマロよりも先に私が翌日病院へ行くことになりました(笑)。でも、そんなに怯えていても空腹には勝てなかったのか、ごはんもモリモリ食べてくれて、数日後には抱っこもできるようになりました。抱っこする度にゴロゴロいうのがたまらなく可愛かったです」
名前は、個人的に始めた保護猫活動を「Team Sweets」と称して、保護した子達にはスイーツにちなんだ名前を付けていた。マシュマロくんは、白くて丸くてフワフワしていたので、マシュマロしかない!と思ったそうだ。
■猫との暮らしが保護猫活動を始めるきっかけに
齊藤さんは、マシュマロくんも他の保護猫と同じように里親探しをするつもりだった。しかし、おとなしくて無邪気に甘えてくる姿にノックアウトされてしまい、迎えることにしたという。
「4匹の先住猫達は案の定シャーしまくりでしたが、マシュマロ本人は涼しい顔をして、私の膝の上でゴロゴロ言いながらまったりしていました。大物です(笑)!」
マシュマロくんは、先住猫達のことが大好きなのだが、特に末っ子のミモザちゃんが大好き。ミモザちゃんはマシュマロくん同様、齊藤さんが自宅で保護した猫だった。
「ビビリな性格の上、末っ子の立場を奪われたのが気に入らないようで、必要以上に唸ったりシャーしたりと、この先仲良くなれるのか心配なほどでした」
ところが、マシュマロくんの保護から半年ぐらい経った頃から2人並んで外を眺めたり、追いかけっこをしたりして一緒に遊ぶようになった。齊藤さんは安心したという。
齊藤さんは、猫との暮らしがこんなにも楽しく、充実した毎日が送れるとは想像もしていなかった。同時に、世の中には外で危険な生活をしている外猫や虐待・遺棄・多頭飼育崩壊などで助けが必要な猫がたくさんいることも知った。そして、癒しをくれる猫達に私も恩返しをしたいと思うようになったという。
「個人で保護猫活動を始めました。昨年自宅で保護した子たちは、すでに新しい家族と幸せに暮らしています。現在は自宅の一室を保護猫部屋にして、他県で捨てられたりレスキューされたりした子猫達の預かりボランティアをしています。1人でできることは少ないですが、たくさんの人達に保護猫や保護活動のことを知ってもらえるよう、活動を続けていきたいと思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)