ガリガリだった殺処分寸前の元野犬→まるで別犬に 献身的なケアにSNSで感激の声「優しい顔になりましたね」

ガリガリの体の元野犬の姿を映した動画がInstagramで話題を集めました。

投稿したのは、犬の保護活動をしているボランティアの「アル&アイと野犬さんたち」さん(@yamazaki.r_i)。動画の元野犬は、6月中旬ごろ、動物愛護指導センターからボランティアに引き取られたチャイたんといいます。7カ月くらいの女の子。殺処分直前のワンちゃんでした。

「今回、我が家にいた一頭に里親さんが決まったため新たに一頭引き取ることができる状況になり、ちょうどその時期に収容されていたのがチャイたんでした。収容期限が切れる2日前に問い合わせてその時点で行先が決まっていなかったので、引き取り希望を出し我が家にお迎えしました」

ボランティアさんのおうちにやって来た時のチャイたんは、初めての室内での生活に落ち着かなくて、なかなか寝ることもできなかったとか。ボランティアさんがハウスから出すと一生懸命隅に隠れようとしたり、表情もずっと緊張して不安げで、目が合うと顔を壁などにくっつけて怖がっていたといいます。また当時、ガリガリの体で痛々しいほど骨が浮き出ていたというチャイたん。最初はほとんどご飯を食べなかったそうです。

「とにかくガリガリでした。通常収容されている間にご飯がもらえるので、たとえ野犬時代に食べ物に困って痩せていても収容所でしっかり食べられていればあんなに痩せていることはありません。収容所では何頭も一緒に大きなお皿のご飯を食べる状況なので、気の弱い子はたくさん食べられないこともあると聞きます。

チャイたんの場合、我が家にきてハウスで他の子に取られない状況でも食べなかったので、精神的なストレスも大きくご飯が置かれた場所まで動くこともできなかったのではないかと思います」

そして…ご飯が食べられたと思ったら、今度はいきなり栄養を取ったことによる下痢に。でも、おうちにお迎えして5日後には完食するようになって、下痢も改善しました。ボランティアの体調のケアを受けて、少しずつ新しい環境に慣れようと頑張っていたチャイたん。2週間後には骨のごつごつ感もなくなり、3週間ほどで表情も柔らかくなり、おうちにお迎えした当初とは“別犬”のような姿に変わりました。

「1カ月ほど経った今では体重も2キロほど増えたと思います。だいぶお肉がついて毛並みもよくなりました。毎日しっかり完食していて、まだまだ体も大きくなると思います。表情も和らいで他の子たちが遊んでいると、ニコニコしながら混ざりたそうにしています。まだ他の子と遊びはしないですが、匂いをかぎ合って尻尾をふることもあり、もう少しで若い子らしくはしゃぐ姿が見られるのではないかと思っています」

ただ人間のことはまだ警戒している様子だというチャイたんですが…。

「人間のことはまだまだ怖い様子で、私が動いていると怖がってハウスに入ったり正面から手を伸ばすと逃げられたりします。ソファーでのんびりしている時にゆっくり触ることはできますが、撫でられて気持ちいいと感じたり人間と遊ぶことを楽しんだりはまだできないので、徐々に知ってもらって距離が近づけばいいなと思っています」

最近はお散歩が上手になってきて、尻尾を上げながら歩いてお外の匂いを嗅ぐのを楽しめるようになったそうです。

投稿には、「沢山食べて元気になってね」「どうか幸せにしてあげてください」と、応援コメントが殺到。3週間後に、ボランティアが再び投稿したチャイたんの姿に「少しお肉付いたね」「優しい顔になりましたね」などと感激する人たちが続出しました。

   ◇    ◇

ボランティアさんのおうちには3匹の保護犬と、2匹の愛犬がいます。保護犬はチャイたんのほか、怖がりでもお転婆なももちゃん(推定5歳)、甘えん坊でお散歩大好きなリオンくん(推定1歳)。愛犬は、甘えん坊でマイペースのアルくん(6歳)と保護っ子たちを教育してくれるお母さん的な存在のアイちゃん(推定7歳)です。保護犬は、里親さんを募集しています。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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