映画館で広がる「サイレント映画」の生伴奏つき上映会 神戸では夏休みにバスター・キートン作品などを特集
映画がまだ「音」を持っていなかった1920年代頃の「サイレント(無声)映画」を映画館で上映する取り組みが広がっている。公開当時と同様、映像に合わせて音楽を奏でる「楽士」や、情景や台詞を声で伝える「活動弁士」によるライブ上映だ。2018年からライブ上映のシリーズ企画「SILENT FILM LIVE」を重ねてきた神戸の元町映画館が7月、通算20回目の開催を予定している。
7月22日から28日まで、各日15時10分スタート。「キートンの大列車追跡」(1926年/監督・主演:バスター・キートン)、「三悪人」(1926年/監督:ジョン・フォード)、「猫とカナリヤ」(1927年/監督:パウル・レニ)の3作品をピアノ生伴奏つきで日替わり上映する。料金は一般2000円、2人以上なら1人1500円など。
楽士を務めるのは、鳥飼りょうさん。関西を拠点にサイレント映画専門の楽士として活躍しており、これまでに演奏した作品は500本を超えるという。無声映画振興会の代表を務めるほか、国内外の映画祭にも招聘されるなど、今や楽士の代名詞的存在に。関テレの番組「よ~いドン!」の名物企画「となりの人間国宝さん」にも認定され、近年そのユニークな活動にますます注目が集まっている。
元町映画館ではさらに、同館を含む全国8会場で開催される「夏休みの映画館2023」の一環として、7月30日13時半からサイレント映画の活弁・演奏つき上映を企画。上映作品は「拳闘屋キートン」(1926年/監督・主演:バスター・キートン)、「迷惑帽子」(1909年/監督:D.W.グリフィス)の2本に加え、特別プログラムとして「What's カツベン」を予定している。活弁は大森くみこさん、ピアノは鳥飼さん。高校生以下500円、セット割(大人1人と子供1人)1500円など。
同館の担当者は「サイレント期のスーパースターで、“三大喜劇王”のひとりであるバスター・キートンをフィーチャーしました。大人も子供もきっと新しい映画の楽しみを発見できると思います」とPR。詳細は同館サイトやTwitterなどで確認できる。