「ニャー」と鳴いて勝手口に通った猫を保護 初めは指1本触れられなかったが、今ではくっついて眠るように
■家に通う猫
あおくん(推定2~4歳・オス)は、2022年4月富山県在住のTさんの家に現れた。
Tさん宅の先住猫2匹は、キッチンの勝手口の網戸から外を眺めるのが好きだった。ある日音がしたため見に行くと、外にあおくんがいた。その時、先住猫とあおくんは、網戸越しに3匹で警戒しあっていた。
あおくんは、それから週に1回夜だけ現れるようになり、だんだん週に2~3回、昼夜問わず毎日とだんだん頻繁に姿を見せるようになったという。
「来るときにはニャーと鳴いて知らせてくれるように。猫たちは網戸越しにパンチしたり唸りあったり、ケンカしていました(笑)。あおが来るたび私も嬉しくて、外でくつろいでいる間は私も網戸越しにずっと見ていたり、外に出て距離を取って目を合わせていました。あおがじっと目をみてくれるのが印象的でした」
■警戒心むき出しの猫が甘えん坊に
Tさんは、飼い猫や地域猫かもしれないし、保護したところでうちで飼えるのか、里親は探せるだろうか、と長い間悩んでいた。
「雨が降ると家に来て雨宿りしていました。エアコンの室外機から出る水を舐めているのを見た時は衝撃的でした。どんどん暑くなる季節ということに加え、私は昔、飼い猫を事故で亡くしている経験があるので、外にいるのが心配でたまらなくなりました。飼おうというより、先住猫2匹もいるのでまずは保護して後のことはそれから考えようと思いました」
あおくんは、3ヶ月間ほど通ってくれたが、かなり警戒心が強く、触ることもできなかった。何度か保護に失敗したが、捕獲器を設置後すぐに保護に成功したという。
Tさんは、あおくんを家に入れたが、かなり警戒していて指1本触れられなかったそうだ。身体も普通サイズだったので噛まれたら指がなくなると思った。
「これから仲良くなれるかなあと、私もすごくドキドキしていました。それくらい噛む力とパンチ力がすごかったのです。別猫というくらい初日の顔は怖くて、今とは全然違います」
あおくんという名前は、目の色が青色だったため付けた。
「青い目の猫を飼って、あおと名付けたいという昔からの夢が叶いました。即決でした」
甘えん坊のあおくんは、Tさんにくっついて寝る。Tさんが部屋を出るだけでニャーニャー鳴いて待ちわびている。
「猫が増えるたび幸せも増えます。なによりの癒しです。我が家では全て猫ファーストです。外で過酷な暮らしを経験している分、絶対に幸せにするからね。うちでぬくぬくと元気に過ごしてね、長生きしてねと伝えたいです」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)