真夜中の新宿ゴールデン街「ねぇ、結婚しない?」→彼女は店を出て走った 文壇バーで起きた奇跡「ドラマのワンシーンみたい」

真夜中の東京・新宿ゴールデン街であったあるカップルの結婚をめぐるエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。

「昨日ゴールデン街の文壇バーで店番をしていたら、飲みに来ていたカップルの女性の方が突然『ねぇ、結婚しない?』と彼氏に言い出して深夜3時にコンビニへ走ってゼクシィとボールペンを買ってきて目の前で婚姻届を書きはじめたので、なぜか証人欄に署名しました。おめでとうございます。」と件のエピソードを紹介したのは作家の山下素童さん(@sirotodotei)。

ゴールデン街のプチ文壇バー「月に吠える」で毎週金曜に店番している山下さん。人生を持て余した、テンション高めの人々が集まることで知られるゴールデン街だが、これほど素敵なシーンに出くわすのは極めて稀なこと。

山下さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「結婚は勢い!」

「当店深夜の急な結婚にも対応でき ゼクシィ常備コンビニ近くにあり 証人も店長又は店番が署名いたし ツイッター読者からも祝福もらえ 末永くお幸せにお過ごしくださいませ」

「凄い場面に居合わせましたね(^v^;) 結婚は、やっぱりタイミングが大切だと思ってる私は、交際期間の長さ云々は余り気にしない。だけどその『結婚しょう!!︎』って決めた時の気持ちを持ち続けて貰いたいですね。大切に思いやる気持ちが有れば様々な困難は乗り切れますから」

など数々の祝福の声が寄せられている。

■投稿者さんに聞いた

山下さんに話を聞いた。

ーーカップルは常連さんだったのでしょうか?

山下:女性の方が20代後半の風俗嬢の方で、よく飲みに来てくれる常連の方です。その日は初めて彼氏を連れてきてくれました。

ーー女性が「ねぇ、結婚しない?」と言い出すまでの経緯をお聞かせください。

山下:言い出すまでは大した話はしてなかったように思います。「お酒飲んでるの?」とか、「お前お酒弱いな」とか彼女の方が彼氏に言ってました。それでスマホを見ながら何か思いついたように本当に唐突に「ねぇ、結婚しない?」と彼女の方が言い始めました。

えらい唐突だな、とは思いましたが、ドラマのワンシーンにありそうな良い場面で邪魔したくないなと思い、黙って見守っていました。彼女が彼氏と少し話をしたあと、彼女だけ店を出てしばらく帰ってこなかったのでどうしたのかなと思ったら、コンビニで買ってきたゼクシィを抱えて走って帰ってきて、微笑ましくなりました。木村カエラの「Butterfly」をスピーカーから流して、その場にいた他のお客さんと祝いました。

ーー婚姻届に署名された感慨をあらためてお聞かせください。

山下:何度も飲みに来てくれる長い付き合いの常連の女性なので、その方の婚姻に関われて嬉しかったです。結婚というと責任の大きな重苦しいものだと考えてしまいますが、ノリで結婚するのもすごくいいことだなと思わされました。あと、ゼクシィって誰が読むんだよと思ってましたが、ゼクシィがコンビニに置いてあることの意義をこの日ほど強く感じたことはありません。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

山下:結婚はノリでするものだ、という意見や、新宿っぽい、ゴールデン街っぽい、という意見が多かったです。そういう軽いノリが、この街のいいところだなと思いました。

◇ ◇

その後のカップルたちが幸せな新婚生活を送ってくれているよう願いたい。

なお、今回の話題を提供してくれた山下さんは7月26日に集英社から私小説「彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった」を出版する。今回紹介したエピソードがあった「月に吠える」を舞台にした私小説ということなので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

山下素童(やました・しろどう)さん

1992年生まれ。システムエンジニアを経て、現在は無職。風俗レポを記したブログが注目され、デリヘル嬢の紹介文を統計ソフトで解析した結果をテレビ番組「タモリ倶楽部」でプレゼンし話題になる。2018年「昼休み、またピンクサロンに走り出していた」で作家デビュー。

プチ文壇バー「月に吠える」

所在地:東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 新宿ゴールデン街G2通り

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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