右前脚が脱臼・変形した元野犬 仲良しスタッフの後を追いかけ靴ひもにガブリ 「遊ぼ、遊ぼ」と猛アピール
保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。同団体には、様々なバックボーンを持つ多くのワンコがいます。
2019年、生後間もない頃に迎え入れられることになった元野犬のサウラは保護当初より右脚に障がいがありました。
■ツルツルの床などでは転んでしまう
サウラの右前脚は脱臼、変形していました。おそらくは生まれつきと思われます。もしかしたら保護されるもっと前に、脱臼をしそのまま固まってしまったのではないかとも思われました。右前脚は完治が難しく、歩いていても滑りやすく場所、特に床などのツルツルしたところでは歩く際にはすぐ転んでしまいます。
診断した獣医は「成長し体が大きくなることで、骨の太さや長さがズレてくる可能性もある」とのことでした。そのため、定期的に獣医さんにサウラを診てもらい、その都度適切な処置・ケアをしながら、慎重にサポートする必要がありました。
こういった心配をよそに、サウラ自身は子犬らしく遊ぶのが大好きなワンコでした。特に仲良しのスタッフを見つけると、靴紐に噛みつき「遊ぼう、遊ぼう」と誘ってくるのでう。
■「できる範囲内で一緒に遊ぶべき」
特にサウラを気にかけていたピースワンコのスタッフ、藤田さんはサウラの右前脚のことを何より心配しながらも、これだけ元気いっぱいでヤンチャなサウラだからこそ、家でジッと療養させるよりも、できる範囲内で様々な場所に連れ出し、一緒に遊ぶよう努めました。そのほうがサウラにとってストレスがなくなること、そして、足に障がいがるからこそ、「これがしたい」ということを最大限させてあげたいと思っていたからです。
■「迎え入れたい」という里親さんが!
サウラに対して藤田さんはこうも語っていました。
「もっとこの子の自由な範囲を広げてあげたい。サウラがのびのびと生活できるお家に、行ってもらいたいと思っている」
この言葉通り、サウラは比較的早い段階から里親募集を実施しました。その結果、2020年6月、関東で暮らす優しい里親希望者さんが現れました。「サウラの障がいや、それに伴うサポートももちろん承知の上で迎え入れたい」と言ってくれました。
サウラはこの家庭に迎えられ、幸せな第2の犬生をつかむことができました。
ずっと面倒を見てきた藤田さんは、サウラが巣立ったいったことを多いに喜びました。そして、「命さえ救うことができれば、必ず光が訪れる」という思いを新たにし、今後も行き場を失ったワンコたちを1頭でも多く救いケアし続け、「殺処分ゼロ」の実現していきたいと思いました。
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/
(まいどなニュース特約・松田 義人)