5人に1人の女性が「不妊治療の経験」あり…世帯年収別に比較すると
株式会社ビースタイル ホールディングス(東京都新宿区)が運営する調査機関『しゅふJOB総研』は、「不妊治療」についての調査結果を発表しました。調査によると、不妊治療経験がある女性の割合は、世帯年収「500万未満」の人よりも「500万以上」の人のほうが約10pt多くなりました。
調査は、転職・派遣求人サイト『スマートキャリア』および求人サイト『しゅふJOB』に登録している就労志向で結婚経験がある女性764人を対象として2023年5月にインターネットで実施した調査です。
調査によると、「不妊治療をした経験がある」と答えた人は20.5%。これを世帯年収別にみると、世帯年収「500万円未満」では15.8%だったのに対し、「500万円以上」では25.2%と9.4pt増加する結果となりました。
調査結果を踏まえて同機関は、「収入が不妊治療に少なからず影響を及ぼしている可能性がありそうです。不妊治療の保険適用は、費用負担の軽減に向けて一歩前進だと思いますが、その効果を検証し費用負担軽減がより実感できるよう改善していく必要があると考えます」と述べています。
さらに、「不妊治療をした経験がある」と答えた157人に対して、「不妊治療当時、仕事をしていましたか」と聞いたところ、「長期フルタイムで仕事をしていた」人は36.9%、「長期パートタイムで仕事をしていた」人は20.4%、「短期・単発で仕事をしていた」人は9.6%で、合わせると66.9%の人が不妊治療当時に「仕事をしていた」と回答。
続いて、全回答者に「不妊治療と仕事を両立させる場合の課題」を複数回答可で答えてもらったところ、「治療にかかる費用の負担」(76.6%)が最多となったほか、「治療によってかかる心身への負担」(65.2%)、「治療に対する職場の理解不足」(55.6%)といった回答が上位に挙げられました。
また、不妊治療経験の有無でクロス集計を行い比較したところ、不妊治療経験者のほうが「治療と両立できる条件の仕事が少ない」(不妊治療経験者:55.4%・不妊治療未経験者:40.0%)と思う比率が15.4ptも高い結果となりました。
なお、回答者からは以下のようなコメントが寄せられています。
▽時間で働く日本の会社のスタイルでは、クリニックでの拘束時間が長く通院頻度も高いこの問題がクリアできない(40代/正社員/不妊治療経験あり)
▽時間のやりくりや周りの理解不足、そして自分が急に仕事を休まなければならないことのストレスから、続けられなかった(40代/今は働いていない/不妊治療経験あり)
▽とにかく体の周期で動いているので両立は大変。身も心もボロボロです(40代/パート・アルバイト/不妊治療経験あり)
▽週3回以上通院することもある為、仕事帰りに行ける病院を探すことがとても大変で、両立はかなり難しいと感じました(40代/パート・アルバイト/不妊治療経験あり)
▽不妊治療中は精神的にも不安定なので、両立は難しい。不妊治療休暇があっても、休暇とるのに自己嫌悪に陥りそう(30代/パート・アルバイト/不妊治療経験あり)
▽そこまでして子供を産む事に拘る必要はないと思う(50代/派遣社員/不妊治療経験なし)
▽そもそも治療しながらフルタイムで働かなければならない世の中がどうなのだろうと思う(40代/パート・アルバイト/不妊治療経験なし)
▽何も言わずに遅刻早退欠勤をする人がいました、ご自身では仕事の下準備等をしていたようですが、結局は問い合わせが来たときなどに対応しきれなくて困りました。事情ぐらい話してほしかったです(40代/パート・アルバイト/不妊治療経験なし)