会社で言われた「この猫、飼えない?」→犬と鳥がいるから避けていたのに ズブズブと猫沼に「ツン9割デレ1割の愛しい存在」

■突然の出会い

風(ふぅ) ちゃん(2歳11ヶ月・メス)は、岐阜県在住の曽我さんが勤務していた会社で保護された。

「2020年の5月、GW明けに会社に出勤すると、先に出社していた専務と同僚が子猫を保護していて、唐突に『曽我さん、この子飼えない?』と言われました。 理由を聞くと、連休中に職場内の倉庫で子猫が産まれたものの、親はどこかに行ってしまって子猫だけになっていたので保護したということでした」

曽我さんの家族は皆動物好きで、既に犬・鳥・亀を飼っていたので、昔から猫だけは飼うことはNGという暗黙のルールがあった。

「過去に何度か猫を保護したこともありますが、直ぐに飼い手を見付け自分でお世話をするということはありませんでした。 それが3年前、まだ生後1ヶ月も経たない子猫に出会い、私の猫沼人生が始まりました」

家族に迎え入れようと思ったきっかけは、全てのタイミングが合致したこともあった。

「3年前、2人の子どもがそれぞれ県外の高校、専門学校へと進むことになり、一気に寂しくなった時にタイミングよく出会ったということ。そして、乳飲み子(猫)のお世話を仕事をしながらどうしようかと迷っていたところに、コロナ禍で子ども達がオンライン授業になったので彼らがお世話を出来たこと。 1人でごはんが食べられるようになったタイミングで学校再開。そしてなにより、長女の猫アレルギーが出なかったことが決め手になりました」

長女は、幼少の頃に猫に触れ、顔が腫れるほどのアレルギーが出たことがあった。しかし、ふぅちゃんを触ってもアレルギーが出なかった。

「これはもはや運命だと思い、家族に迎え入れることとなりました。初めて実家を離れて暮らす子ども達に、毎日ふぅの写真を送っているうちにInstagramを勧められ、それから毎日1投稿して子ども達にエールを送る日々となりました」

■ツン9割猫、ミルクを飲ませてもらったことは忘れる

曽我さんがふぅちゃんを連れて帰った初めての日。猫の習性や飼い方など、何も分からない状況でいきなり家族に迎えてしまったので、みんなでのぞき込み、ワイワイガヤガヤ。

「子犬と同じ接し方をしてしまったので、ふぅの方が戸惑っていたかもしれません。ミルクも哺乳瓶からしっかり飲み、トイレも失敗しなかったことに家族で手を叩いて喜び感動しました(笑)」

名前は、家族がそれぞれ新しいスタートをきった時に出会った子猫なので、新しい風が幸せを運んで来ますようにと、「風(ふぅ)ちゃん」と名付けた。

ふぅちゃんは、ツン9割デレ1割の超ツンデレ猫。神経質で気難しいが、夫妻には甘えてくる。

「ちなみに、ミルクをもらって育ててもらった長女には、恩をすっかり忘れて一切触れさせません(笑)。オモチャにも興味を示さずいつも冷静ですが、洗濯物のジーンズが大好きで、いつも畳んでいるとトンネルみたいに入り込んできます。心配していた愛鳥とも仲良しになり、放鳥時も一緒にいられるようになりました」

小さな命を迎えたことで、こんなにも生活が変わり、愛しい存在になるとは思ってもいなかったという曽我さん。

「老犬の介護、2羽の可愛い鳥たちと川で保護した亀、そして今は3匹になった愛しい猫たちのお世話を楽しくさせてもらい、毎日にぎやかに暮らしています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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