還暦目前のVシネ帝王はダジャレ好き 竹内力は長期寝たきりの病床で人生観が一変した 「ライバルは俺自身。死に向かって全力で生きる」

トレードマークのリーゼントヘアに、「力」とデザインされたネックレスが胸元でギラっと光る。黒光りしたソファーにどっしり腰を下ろした竹内力(59)。2024年1月に60歳を迎えるが、自身は還暦を一切意識することはないという。

「なぜかって?俺にはヤン坊マー坊天気予報があるからだな」

(ど、どういうこと!?…)聞き手のこちらの頭は真っ白になった。

■ 見事な?脳トレダジャレ

全64作品が製作されたモンスターシリーズ『難波金融伝 ミナミの帝王』の成功から“Vシネマの帝王”との異名を取り、人を寄せ付けないイメージの竹内。その見た目とは裏腹に実は大のダジャレ好きでもある。

「悪い、悪い。俺が還暦を意識していないのは野望があるからだな」

「野望」を「ヤン坊マー坊天気予報」に結び付けるという強引な、いや無理矢理なダジャレを放ちつつ「ダイエットにも成功して内臓も健康で血管年齢も赤点じゃなくなった。健康面のコンディションはいいよ。腰に負担をかけないように筋トレをしていけば全体的にも復活していく気がする」と語る。「気持ちは40代」なのだそうだ。

■死んだら無という考え方

竹内が描く野望とは、U-NEXTで独占配信される『欲望の街 No.1 報復への道』(7月26日から)、『欲望の街 No.2 闇のフィクサー』(8月2日から)のこと。製作&主演を務めた完全オリジナル作だが、物語の舞台をミナミにしたり、『難波金融伝 ミナミの帝王』シリーズのスタッフを投入したり、新たな代表作としてシリーズ化構想を練っている最中だ。

「病は気から」とはよく聞く言葉だが、それは豪快なキャリアで知られる竹内にとっても例外ではない。「やっぱり気持ちが落ちたら終わりだよ。そうならないためにも若い人と遊んで刺激を受けて若い人から勉強する。隠居のような生活を送る同年代の友達や先輩を見ていると、一度きりの人生なのにもったいないと思う。だって死んだら終わり、死んだら無だよ?」。

■人生観を変えた大怪我

「一度きりの人生」。そんな考えに至ったのは、31歳の頃。仕事への影響を考えて最近まで隠していたが、映画の撮影で首の骨を折る大けがをしたのだ。長期入院を余儀なくされたが、この時間が竹内の人生観を一変させた。

「何カ月もベッドで寝ていると人生について考えさせられる。首から下は動かないけれど、脳みそは元気だからね。生きていてもこのまま動けずに何もできないかもしれないと不安になる一方、復活したらあれをしたいこれをしたいと目標を立てたりして。その時に、人に迷惑をかけない限りはなんでもやるべきだと思ったね」

■ライバルは自分

70歳までは『欲望の街』シリーズを続けたいという竹内。「精神的には40代かもしれないけれど、首も腰も手術をしていて肉体的には70代だからさ。さすがに無理はできないよな」と気弱な言葉。しかし次の瞬間「テレビで『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』を観て思ったけれど、ああいうタッチの作品なら俺もやってみたいな」とギラギラする。

「俺のライバルは俺自身だ。死に向かって全力で生きる俺に対して、もう一人の俺が努力しないで楽しむ方法を見つけろよと常に叱咤してくる。まあ俺はドSだからMっぽくストイックにはなれないな。いかに楽をして金を儲けて楽しく遊んでやろうかと考えている。そのくせ、よくだまされるけどな…ガハハ!」と豪快に笑う。

ヤン坊マー坊天気予報…ならぬ野望を秘めた竹内力は、なんだか超若い気がした。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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