出産経験があるイタリアン・グレーハウンドの保護犬 2頭の体には数えきれない脱毛があった

行き場を失ったワンコを保護し、そういったワンコたちを再出発に導く活動をしている犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)。主に埼玉・茨城の動物愛護センターに収容されたワンコを引き取りお世話をし、新しい家族へと繋ぎ続けています。

2023年春、リアンの元に引き取られることになった2頭のイタリアン・グレーハウンドのワンコがいました。目と目の間に白い線が入った小梅(推定5歳)と、耳が垂れた小桃(推定7歳)です。小桃は7歳で体重は5kg、小梅は5歳で体重は6kg。見た目では小梅の首周りがしっかりしていることから小桃よりも大きく見えますが体高はそれほど変わりません。

いずれも出産経験があるワンコでしたが、小梅・小桃双方の体はあちこちにハゲがありました。また小梅のお尻にはけがの跡があり、小桃はフケがすごく膝にも座りダコがあり、乳腺腫瘍もありました。飼われていた環境の劣悪さを感じさせるとともに、大事にされていなかったことがうかがえました。

■保護からすぐに避妊手術とできるだけの処置を施す

リアンで引き取るにあたって、まずは小梅、小桃を動物病院に連れていき避妊手術をすることに。また前述の腫瘍などにも適切な処置を施してもらうようお願いしました。

一連の手術の後、リアンの預かりスタッフであるうたさんの家に来た2頭。当日はその日は2頭とも不調でしたが、小梅は翌日からご飯を食べてくれるようになりました。また、小桃も元気を取り戻しました。そして2頭の性格が少しずつ見えてきました。

■スタッフの確信通り、2頭とも幸せな第2の犬生を掴んだ!

元飼い犬であることから、2頭とも人や犬に対して警戒心がありませんでした。小梅は比較的社交的で、マイペース。自ら布団に入り、落ち着いた様子を見せていました。小桃はかなりおとなしく、少々引っ込み思案のよう。小桃のあまりのおとなしさから、スタッフのうたさんは「この子大丈夫かしら」「過去の経験から人間におびえているのかも」と心配になりましたが、しばらく接しているうちに「単に物静かな性格」ということがわかってきました。

保護犬の中には過去に負った心の傷や人間への不信感から、保護団体のスタッフに対してもなかなか心を開いてくれず、威嚇し続けるといった話はよくあります。

しかし、小梅・小桃の2頭はこのように当初から人間に馴れており、そして落ち着いたワンコです。この性格の良さから健康な体さえ取り戻せば絶対に幸せな第2の犬生へと繋げることができるとスタッフのうたさんは確信しました。

そして、その確信は現実となり、のちに小梅・小桃とも、優しい里親さんが現れ、幸せな第2の犬生をおくることができました。「本当に良かった!」と、うたさんをはじめリアンの関係者はおおいに喜びました。

リアンでは現在も、複数のワンコの新しい里親さんを募集しています。我こそは、と思った方は、ぜひリアンの公式ブログ、インスタグラムなどからアポイントを取ってみてください。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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