愛護センターで横になったままだったポメラニアンのシニア犬 保護団体が迎えに行くと奇跡が起きた
2023年3月、動物愛護センターに1頭の小さなポメラニアンのシニア犬がいました。後につけられた名前はヨーゼフくん。動物愛護センターにいた頃は、いつも横になっていたため、「元気がなさそう」という理由から、なかなか引き取り手が見つからなかったそうです。
そんな状況を知った、犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)もスタッフは「元気がないからこそ引き取るべきだ!」と、このヨーゼフくんを引き出すことにしました。
■スタッフの覚悟をよそに、急にスッと立ち上がった
ヨーゼフくんは強い悪臭を放ち、そしてフィラリア陽性。去勢手術もされていないとのことでした。スタッフは「結構大変な治療を強いられるかもしれない」と覚悟を決めましたが、引き取りに行くと驚くべきことが起こったのです。
ぐったり横たわっているばかりのヨーゼフくんがスッと起き上がったのです。さらに、リアンの預かりスタッフの家では元気な様子を見せてくれるようにもなり、後にはすぐ散歩にも行くようになってくれました。この話を聞いたリアンの別のスタッフ、動物愛護センター職員もびっくりしました。
■トリミングすると、チャウチャウのようなルックスに
ずっと施設にいたことで毛が伸び放題。臭いも強かったヨーゼフくんですが、リアンのスタッフの家ですぐにトリミングすることにしました。
トリミング後のヨーゼフくんは、ポメラニアンというよりは、チャウチャウ犬のような見た目に。さっぱりしたことをヨーゼフくん自身もうれしかったのか、さらにニコニコの笑顔まで見せてくれるようになりました。「このかわいさなら、きっとすぐに新しい里親さんが見つかる」……そう確信するスタッフでした。
■心優しい里親希望者さんの元へと巣立っていった
リアンのスタッフの愛情をヨーゼフくんはしっかり受け止めてくれ、以来、スタッフの後をヨチヨチ歩いてくるようにもなりました。それでいてワンキャン騒いだり、甘えるようなことはなく、シニア犬ならでは貫禄も見せてくれました。
ヨーゼフくんはフィラリアの治療などをがんばるのと合わせて、どんどん表情が明るくなり、さらには心優しい里親希望者さんが現れ、見事第2の幸せな犬生を迎えることになりました。スタッフは「ヨーゼフくんの明るい表情が、これからもっともっと明るくなることでしょう」とおおいに喜びました。
ヨーゼフくんは、長い時間を動物愛護センターで過ごし、幸いリアンに迎え入れられ、そして新しい里親さんと出会うことができましたが、行き場を失い病気に苦しむワンコはたくさんいます。リアンでは今後も、一頭でも多くこうした保護犬たちを助け、再出発できるようこれからもサポートを続けていきます。今後の同団体の最新情報にもぜひご注目ください。
(まいどなニュース特約・松田 義人)