思春期の少年の葛藤と成長を描く「セミフィクション」が話題 神戸発の演劇ユニット・神戸セーラーボーイズ

今年4月、神戸で結成された演劇ユニット「神戸セーラーボーイズ」。オーディションで選ばれた13~18歳、10人の少年たちによるユニットで、新神戸オリエンタルシティのAiiA 2.5 Theater Kobeを拠点に舞台公演やイベント出演などの活動を始めている。

演技、ダンス、歌に挑戦している彼らだが、その持ち味がもっともよく味わえるのはSF(セミフィクション)といわれる等身大の自分を演じるオリジナルストーリー。6月の初公演『Boys×Voice 306』の登場人物は"舞台のオーディションに合格した少年たち"という彼ら自身を反映した設定で、思春期の若者たちが葛藤の中で互いに研鑽し、成長してゆくさまがありありと描写され来場者の胸をうった。

彼らはどんな思いで活動に参加しているのだろうか。メンバーの塚木芭琉(つかき・はる)さんにお話を聞いた。塚木さんは奈良県出身の17歳。キッズモデルを経て高校から芸能活動を再開。2021年「第34回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でファイナリストに残った実績もある次世代のホープだ。

「奈良県出身ですが、祖父母が兵庫県に住んでいるので神戸は思い入れのある街。その神戸を拠点に演劇ユニットを結成するなんて僕にとってまたとない企画なので、オーディションの話をいただいた時から興味津々でした。それまで舞台向けのレッスンを受けたことが無くて不安もたくさんありましたが、今はとにかく経験を積んでスキルを身に付けたいと思っています」

思春期の少年ばかりが集まっているが、メンバーとの関係性はどうだろうか。

「僕は内気なほうだし、けっして周りを引っ張るようなキャラクターじゃありません。でもグループの中では明石侑成くんに次ぐ年長者。自分のためにも仕事に関しては積極的に発言して、メンバーに対して気付いたことがあればアドバイスもしています。時にギスギスした雰囲気になることもありますが、同じ目標に向かって頑張っているうちにわだかまりは無くなります。みんなよき仲間であり、よき友達でもあると思っています」

少年性と演劇にこだわり、一般的な劇団とも、アイドルグループとも一線を画している神戸セーラーボーイズの独特なスタイル。メンバーは現在の自分たちの活動をどのように見ているのか。

「夢に向かって一心に頑張り、成長してゆく姿を劇場で間近に見てもらうというのが神戸セーラーボーイズの個性。雑念にとらわれない環境で、しっかりレッスンできるので僕としては今のスタイルが気に入っています。またセミフィクションは演じていて不思議な気持ちになりますが、その時々の僕たちの内面やリアルな姿を映し出した僕たちだけのストーリー。貴重な機会をいただいているので、神戸発信で全国の方に注目していただけるよう、一つ一つの公演を大事にしていきたいです」

目を輝かせながら「自分ならではの芝居ができる役者になりたい」と熱く語っていた塚木さん。彼を含めメンバーたちが神戸セーラーボーイズというユニットをきっかけに、未来の芸能界に力強く羽ばたいていって欲しいと思った。

なお神戸セーラーボーイズは8月4日から6日にかけセミフィクション『Boys×Voice 308』をAiiA 2.5 Theater Kobeで上演する。冨田昌則を演出家に、ミュージカル『テニスの王子様』などに出演した神里優希、矢田悠祐をゲストに迎えた意欲的な舞台なので、ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思う。

   ◇   ◇

▽神戸セーラーボーイズ SF(セミフィクション)『Boys×Voice 308』

【会場】AiiA 2.5 Theater Kobe

神戸市中央区北野町1 コトノハコ神戸 2F

【公演日時】

8⽉4⽇ 18:00~

8⽉5⽇ 13:00~、17:00~

8⽉6⽇ 13:00~、17:00~

【出演】

明石侑成、石原月斗、奥村頼斗、崎元リスト、髙橋龍ノ介、田中幸真、塚木芭琉、津山晄士朗、中川月碧、細見奏仁

【ゲスト】

神里優希(8月4、5日)、矢田悠祐(8月6日)

【チケット】

5,500円(全席自由/税込)

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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