生後1週間で保護された6頭きょうだい、ミルクですくすく 全頭がそろうのはきょうが最後だね 「みんな幸せになって」
2023年5月、犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)の元に、きょうだい6頭で引き取られることになったワンコたちがいました。オス3頭、メス3頭で、いずれも生後1週間。まだミルクが必要な時期で慎重にサポートしなければいけないため、リアンの預かりスタッフの自宅で、2頭ずつお世話することにしました。このきょうだいは「アルコールきょうだい」と名付けられました。
■ミルクをよく飲み、おしっこをよくする
複数の預かりスタッフの自宅で過ごしていたアルコールきょうだいですが、共通して言えるのは「とにかくミルクをよく飲む」。生まれて間もないわけですから、当然なのですが、これまでに多くの子犬を世話してきたスタッフの経験と照らし合わせると「他の子犬よりも飲み方がハンパじゃない」とのこと。同時に「すごい生命力を持ったきょうだいだ」と感じたそうです。
よく飲むだけにおしっこもよく出ました。ミルクだけでなくシートの消費が激しく、「栄養をいっぱい摂って、さらに代謝が良いことはおおいに結構だけど、さすがに手間もお金もかかりますね」とスタッフは笑って教えてくれました。
■6頭揃って集まることができた「最後の日」
しばらく別々の預かりスタッフのもとで過ごしていたアルコールきょうだいですが、数週間後6頭全員が集まることになりました。
保護当初と異なり、6頭それぞれ性格や個性も出てきました。「元気なことが何よりもうれしい」とスタッフは喜びましたが、一つだけ難しく思うこともありました。それはあまりに顔が似ており、6頭全頭がそろうと「どの子が、どのワンコだったか、わからなくなることがある」というものでした。
でも、これはスタッフにとってうれしい悲鳴でした。
なぜならそれぞれのワンコはすでに里親募集をしており、今後1頭ずつ新しい里親さんの元で暮らすことになります。そのため、6頭そろって集まれるのは、きっとこれが最後。「どの子が、どのワンコだったっけ?」とスタッフがわからなくなったことも、後にはきっと良い思い出になることでしょう。
■成犬との触れ合いで犬社会を学ぶ子犬たち
子犬だったアルコールきょうだいは、ミルクをとにかく飲み、そして元気いっぱいで遊び回るヤンチャぶりを見せていました。そういったヤンチャぶりを前に、一緒にいた成犬のワンコが「ガルガル」と怒ったこともありました。こんな経験を繰り返すことで少しずつ犬社会を学び、そしてリアンのスタッフとの触れ合いにより、人間との協調性も学んでいきます。
経験を経て成長し、1頭ずつ新しい里親さんのもとで暮らすことになるであろう6頭。リアンを卒業した後も「いつまでも元気いっぱい、幸せいっぱいで過ごしてほしい」とスタッフは願っています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)