【人生100年時代のリアルなシニア像】老後に不安を感じつつも…「80代までは生きたい」が最多に
株式会社主婦の友社(東京都品川区)は、2023年6月、全国の40~80歳代の男女175人を対象に「人生100年時代」に関する意識調査をインターネットで実施しました。調査によると、「80代までは生きる(生きたい)」と答えた人が4割超で最多となりました。
まず、「何歳まで生きる(生きたい)と思っていますか」と聞いたところ、「80代」(43.4%)、「90代」(18.9%)、「70代」(13.7%)などが上位に。一方、「考えたことがない」と答えた人は14.2%でした。
次に、「自身の老後」については、「自分や世の中がどうなってしまうのか不安」と答えた人が94人、「好きなように生きられると期待感がある」と答えた人が42人となり、期待感を持つ人の倍以上の人が不安を抱えていることが分かりました。
また、「老後の資金(食費、医療費、遊興費など生活全般)」については、「年金だけで暮らせるか不安」(47人)、「どちらとも言えないが心配している」(36人)、「とても不安である」(33人)などを合わせると、7割近い人が老後資金を不安視していることが明らかに。
では、老後資金は一人いくらあれば安心できるのでしょうか。この質問に関して、一番多かった回答は、「3000万円以上」(55人)。次いで「2000万円以上3000万円未満」(38人)、「1500万円以上2000万円未満」(34人)と続き、2019年に発表された金融庁の報告書に端を発した「老後2000万円問題」が影を落としていることがうかがえます。
他方、就労について「何歳まで働ける(働きたい)と思っていますか」と聞いたところ、ダントツで多かった回答は、「65歳以上70歳未満」(64人)でした。以下、「60歳以上65歳未満」(39人)、「働き続けられる限り」(25人)、「60歳未満」(23人)、「70歳以上80歳未満」(19人)と続き、一般に定年退職を迎える年齢の60歳もしくは65歳を過ぎても働ける(働きたい)と考えている人が152人と、全体の9割近くになりました。
続いて、「老後の健康面」について聞いたところ、74%の人が「心配」と回答。具体的には、「今後抱える可能性がある身体的不調」(34%)、「今後患う可能性がある病気」(30%)など、すでに患っている病気や抱えている身体的不安よりも、病気を患ったり、身体的不調を抱えたりする可能性について不安視している人が多くみられました。
熟年離婚やおひとり様が取りざたされる昨今。そこで、「生涯を共に過ごせるパートナー」について聞いたところ、56%の人が「パートナーは必要」と回答。一方、「必要ない」と答えた人は10%、「どちらともいえない」は34%でした。
また、「老後の趣味」について、「生涯続けられる趣味を持っている」と答えた人は66%、「持っていないがほしいと思っている」は16%となり、合わせて8割以上の人が老後の趣味の必要性を感じていることが分かりました。
さらに、「老後の夢」については、74%の人が「死ぬまでに実現したい夢を持っている」(持っている:54%・持っていないがほしいと思っている:20%)と回答。具体的な夢の中身では、「旅行」が最も多く、回答者からは「世界一周旅行」(60代女性)や「国内外を問わず様々な景色をこの目で見てみたい」(60代女性)といった、旅行といっても時間やお金がかかる旅行を夢見ていることがうかがえます。
次いで、「社会貢献」「起業(仕事の継続)」といった、社会とのつながりを持ち続けたいと考える人が多くなっており、「自分が貧乏だったので、ボランティア活動で子供達の進学を助けたい」(60代男性)、「自宅を介護施設にして、複数の友人と暮らしたい」(70代女性)といった声も聞かれました。
最後に、「終活(エンディングノートの作成や断捨離)」についての質問では、「実際に終活をしている」人が24%、「していない」人は23%となった一方で、51%の人が「今はしていないが必要だと思っている」と答えたそうです。