走行中に突然「バチッ!!」フロントガラスに「飛び石の傷」が…自分でも修理できる?整備士が解説

走行中のフロントガラスに飛び石があたり、「バチッ!!」という衝撃音とともに傷がつくことがあります。小さな傷だったとしても、このままにしていて大丈夫なのか?車検も影響が出ないのか?…など、心配事も尽きません。最初は小さな傷でも、そのまま走行していると傷が広がり、フロントガラス全体を交換しなければならなくなることもあるようです。

フロントガラスに飛び石傷がついたときの対処法や修理方法について解説します。

■フロントガラスに飛び石傷がついたら

飛び石による傷を受けたと思ったら、まずは以下の2点の対応をするようにしましょう。

▽傷の状況を確認する

まずは飛び石による傷の状況を確認しましょう。

・ヒビが入っていないか

・傷の大きさ

・傷の深さ

・傷の場所・数

飛び石を受けたときは、想像以上の衝撃音がして驚きます。 焦らず、安全な場所に停車したのちに状況を確認します。

▽応急措置をする

すぐにガラスを修理ができる状況ではないことがほとんどのはずです。その場合は、ひとまず傷が拡がらないために、テープを貼って応急処置をします。

可能であれば幅の広い透明なセロハンテープを使用して、1枚で傷をすべて覆うことができるのがベストです。透明なセロハンテープを使用するのは、安全のために前方視界を確保するためです。

■フロントガラスの傷を自分で修理するかの判断

フロントガラスの傷への対処法は、傷の程度によって変わります。

▽自分で傷の修理が出来る場合

ガラスがわずかに欠けた程度で、ヒビ(線状)が入っていない、軽度の傷であれば自分で傷の修理ができるかもしれません。

カー用品店などで修理キットが購入できます。費用は1,000~2,500円程度です。キットに記載の手順を確認してみて、自分でできそうであれば、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

基本的には以下の手順で修理します。

1)ガラスをキレイに拭き取る

2)必要に応じて補修剤が浸透しやすくなるよう、ピンを使って患部のほこりや破片を取り除く

3)UVレジンを注入

4)クリアフィルムを貼って患部を保護し、補修剤が硬化するまで待つ

5)硬化後、余分な補修剤を取り除く

補修キットによっては、これらの作業を円滑に進めるための治具が同梱されている場合もあります。また、屋外で実施する場合、水がかかるのはNGなので、天気の良い日にしましょう。

 ただし、傷の修理は基本的には1回限りです。正確に修理するためには、失敗は許されないリスクを理解したうえで実施しましょう。

▽修理業者に依頼した方が良い場合

ガラス欠けが大きい場合は、修理業者に依頼することをおすすめします。

パッと見で誰もが認識できる程度の傷、損傷箇所が直径5mmほどあれば、十分に大きな欠けです。また、線ヒビがわずかでも入っていれば業者に依頼することをおすすめします。

ちなみに、修理可能なサイズは2cm程度のヒビまで。

修理の所要時間は最短で30分~1.5時間程度です。費用の予算は1.5万円前後が想定されます。

▽修理でなく交換が必要な場合

傷修理の可否は、整備工場のスタッフでは判断が難しい場合があります。また、単に傷の大きさだけでは判断できないこともあるので、専門の修理業者さんに実際に傷を確認してもらいましょう。

その結果、修理が不可能な場合、フロントガラスを交換する必要があります。

■フロントガラスを交換することになったら

▽交換費用

費用は工賃よりもガラスの種類(メーカー純正品、社外品、UVカットの有無や色付きなど)によって大きく異なります。

軽自動車であれば最安でガラス代と工賃を併せて4万円~です。一般的に予算は10万円前後~と考えておきましょう。

最近の車は、フロントガラスに自動ブレーキに必要なセンサやカメラが取り付けられています。フロントガラス交換後は、これら安全装置のエイミング調整(校正)が必要です。エイミング作業の有無によっても、交換費用は最大で数万円変わってきます。

▽交換にかかる時間

ガラス交換後は、接着剤が乾燥するまで車を動かせません。交換自体は1時間ほどあれば終わりますが、その後の乾燥の時間も含めると交換にかかる所要時間は4~5時間必要です。

朝から昼までに車を預ければ、その日の夕方には修理が完了して車を受け取れます。作業が午後以降になると、1泊2日で翌日に車を受け取ることになるでしょう。

■フロントガラスに傷があると車検は通らない?

厳密に、「これだけ傷があれば通らない」という基準はありません。ただし、フロントガラスは法令に則ったうえで、視界が良好でなければいけません。

傷やヒビが、前方視界を妨げるものでなければ車検には合格します。この判断基準は、整備工場に在籍する検査員、会社のルールによって厳密には違いが出ます。

私の周囲の整備工場にアンケートを取ったところ、9割以上のところで「大小に関わらず、ヒビがあれば車検NGと判断」していました。その場合、修理可能であれば修理必須、不可ならガラス交換必須と判断する整備工場が多いようです。

この件については、車検でお世話になっている整備工場で直接、確認してもらうようにしましょう。

■フロントガラスに飛び石傷がつきにくくする予防法

フロントガラスに飛び石による傷がつきにくくする最大の予防策は、前走車との車間距離を十分に開けることです。飛び石は前走車のタイヤが巻き上げて飛んできたものが多いからです。

特に、ダンプカーやトラックといった大型車の後方を走るのを避けることは、予防策のひとつです。

砂利道や速度域の高い高速道路では、飛び石を受けるリスクが一般道より高くなるので、より車間距離に注意します。

また認知度は低いですが、車検適合の車外に貼る保護フィルムがあります。ただ、安いものではありませんし、経年劣化で年数が経てば貼り替える必要が出てくることも。費用対効果について納得できるのであれば、施工することで傷予防になります。

■フロントガラスの飛び石傷は早めに修理しよう

フロントガラスの飛び石による傷は、初心者には修理の可否が難しいです。気になる傷があれば、できる限り早く、整備工場または専門の修理業者に確認してもらい、アドバイスをもらいましょう。

また明確な規定はないものの、多くの整備事業者は飛び石傷にヒビが発生していると車検NGとすることが多いです。

安全性の観点からも、傷が拡がりガラス交換しなければいけなくなる前に、修理可能な傷は早めに修理することをおすすめします。

(クルマのメディア「norico」by ガリバー)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス