「社畜製造機」「ブラック企業が導入しそう」 立ったまま寝る「仮眠ボックス」値段は高め

建材輸入などの広葉樹合板(北海道旭川市)はイトーキの特許を用いた、立ったまま寝る仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」を発表しました。仕事場に設置すれば、疲労や眠気を感じた時に20分ほどでリフレッシュできるといいます。

仮眠ボックスはオフィス空間に省スペースで設置できます。寸法は1200(幅)×1200(奥行き)×2532~2577(高さ)ミリと小型の公衆電話ボックス程度。ベッドの設置と比較すると、半分のスペースで仮眠環境が導入可能です。身体を支えるのは、「頭・お尻・すね・足裏」の4カ所。この4点を固定することで、どんなに脱力してもリラックスできる立ち寝姿勢のキープが可能です。

横になって寝た場合には睡眠段階3まで到達し、深いノンレム睡眠に陥ります。熟睡状態に入るため、起床時に頭がボーッとして仕事中の仮眠には眠り過ぎてしまいます。北海道大学・台湾の国立成功大学との共同研究によると、立ったまま寝た場合は睡眠段階2(軽い寝息をたてる程度の睡眠状態)まで到達。睡眠段階2の状態のまま、30分以上の継続が実証されました。仮眠の効果を実感できつつ熟睡しすぎないため、頭がぼーっとすることなく仕事に素早く復帰できそうです。

ジラフナップは近未来をイメージした「スペーシア(SPACIA)」と森の中をイメージした「フォレスト(FOREST)」の2つのラインナップを用意。発売は2023年12月末~2024年1月の予定。なお8月22日からはネスカフェとのコラボレーションにより「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」にジラフナップの体験スペースを設けます。

ジラフナップのベースとなった技術は、イトーキの開放特許「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」。北洋銀行が主催した「知財ビジネスマッチング」を通じてこれを把握し、ライセンス契約を結びました。

■睡眠時間が短い日本人

世界的に見ても、日本人の睡眠時間が短いことが知られています。

経済協力開発機構(OECD)の21年版調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で加盟国のうち30カ国で最下位。全体の平均睡眠時間の8時間24分と、ほぼ1時間もの差があります。さらに厚生労働省の「令和3年度・健康実態調査の報告」によると、睡眠時間が7時間以下の人の合計が67.7%に及びます。寝不足になると、日中の眠気やだるさを感じる人が多く、集中力や注意力の低下、単純ミスの増加、物忘れといった症状も表れます。

価格は300万円ほど。SNS上では「ほしい」「天才」と仮眠ボックスを求める声がある一方、「社畜製造機」「ブラック企業が導入しそう」「ここまでして働きたくない」と立ち寝を推奨する新商品を忌避(きひ)する声も上がっていました。

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