我が家のぐうたら大学生…留年したら、学費はどうする問題 「自分がサボっているのに、親に金を出せと言うの?」
「子どもが大学生になったら、育児もずいぶん楽になるだろうな」と、今幼い子どもを育児中の親は思うかもしれません。しかし、大学生になっても子育ては続きます。手がかかる部分が変わっただけで、新たな心配や苦労が出てくることも…。とくに教育費の問題は深刻なようです。
■寝坊して講義をサボる息子
A子さん(東京都在住、50代、パート)には大学生の息子(19歳)がいます。中学生になったころから朝が弱くなり、毎朝起こすのに苦労していました。大学生になると、必ずしも1限からとは限らないので、ゆっくり起きても大丈夫だと思っていたA子さん。「これで少し朝の負担が減った」と思いきや大間違いでした。
というのも、夜の居酒屋でアルバイトを始めた息子は、朝ゆっくりでも起きられない日が増えてしまったからです。10時ごろにのっそり起きてきて「今日3限からだったけど間に合わないから午後からでいいや」と講義をサボる日が増えていきました。
■「留年したらそのとき考えるよ」だなんて
あまりにもサボる日が多く感じたA子さん。大学のスケジュール管理は息子に任せていたのですが、不安になって状況を聞くと留年の可能性が否定できないことが判明します。今からでも心を改めてきちんと講義に出席して欲しい状況です。
しかし、当事者の息子はのんびりしたもの。「留年したらそのとき考えるよ」と寝坊を繰り返します。もうすぐ20歳になる息子にガミガミ言いたくありませんが、留年したときの学費について何も考えていないことにモヤモヤが止まりません。「自分がサボっているのに学費は親に出せと言うの?」という言葉をA子さんはギリギリで飲み込みました。
■奨学金の場合留年すると停止になることも
現実問題として、子どもが大学を留年した家庭はどのような対応をしているのでしょうか。気になるA子さんですが、ママ友に聞くのは気が引けます。そこで、インターネットで情報を集めてみました。個人の学費についてはよくわかりませんが、奨学金は留年すると「的確認定」が下りず、停止される場合があるとのこと。
「そうだよね。頑張っている人にお金を出してもいいけど、サボって好き勝手する息子にこれ以上学費は出せない」と、A子さんは妙に納得してしまいました。しかし、学費が払えずに退学になったら、何のために受験を頑張ったのかわかりません。それこそ、予備校費などの大学受験や今までの大学にかかったお金が無駄になってしまいます。
■子どもが大学を留年したらどのような対応がベスト?
「親の心子知らず」と言いますが、お金の問題はどんなに愛情があっても限界があります。文部科学省の学校基本調査によると、2022年度の年限超過学生数 (留年在籍者数)は79,141人。4年制大学の生徒数が2,632,216人ですから、割合的には3%程度となります。学部によって留年率にも差があり、難しい学部は留年率が3割を超えるところもあるようです。相当数が留年の学費問題を抱えていると言えるでしょう。
参考:文部科学省/学校基本調査(2022年度)
難しい学部で努力していたなら、留年しても「学費は心配しないでいいから」と言う気持ちになれます。しかし、アルバイトばかりに励み、肝心の学業は疎かにし、さらに寝坊して講義をサボる息子には厳しく現実を伝える必要があるでしょう。
留年については、学校によって学費が変わってくるようです。自分の子どもが留年したときにはどうするかを入学前に話し合っておくといいかもしれませんね。
(まいどなニュース特約・わたなべ こうめ)