人工保育で育てられた先住猫と、ひとりぼっちになって鳴いていた子猫 「仲良し」にはなれなくても、お互い自由に暮らす

■多頭飼いしたら賑やかになるかも

小春ちゃん(9歳・メス)は、2013年8月、側溝でミャーミャー鳴いていたところを保護された。まだ臍の緒が付いていた。保護した人が動物病院のトリマーさんだったので、小春ちゃんは動物病院で人工保育で育てられた。その後、以前この病院で動物看護師として働いていた、愛知県在住の小出さんに譲渡されたという。

「動物の世話をするのが好きで、たくさんの動物たちと関わってきました。動物病院から離れていても、いずれは動物を飼いたいと思っていました」

■先住猫となつちゃん、それぞれ自由に暮らす

2匹目のなつちゃん(3歳・オス)は、2020年5月生まれ。赤ちゃん猫の時に保護され、小出さんが家に迎えた時は、生後50~60日になっていた。

「夫の会社に保護活動をしている人がいたのですが、その方から声をかけてもらいました。夫や子どもたちと一緒に会いに行くと、当時中2だった娘が、ハチワレのなつに一目惚れしました。先住猫の小春がいましたが、もう1匹いたら楽しいだろうなと思って迎えることにしました」

なつちゃんを家に連れてきてもらう前日。他の兄弟たちは、みんなよその家にもらわれていった。急に1匹になったなつちゃん。

「なつは悲しくて鳴いて、保護主さんのベッドで一緒に眠ったそうです。家に来てからは元気いっぱいで、先住猫の小春に飛びついて怒らていました。7歳歳の差があるので、無理もないかもしれません」

小出さんは、小春ちゃんとなつちゃんが仲良くなれるかもしれないと思ったが、それは難しかった。

「小春は人工保育で育っているので、自分を猫と思っていないかもしれません(笑)3年経った今でも仲良しではありません。お互いに自由に生きています」

2匹とも、名前は夫が独断で決めた。

「テレビでみたヤギの名前が小春ちゃんだったり、広瀬すずさんのドラマの役名がなつだったりしたのです(笑)」

■健康で、長生きしてほしい

小春ちゃんはTHE猫という感じで、ツンツン多めのツンデレ。でも、名前を呼ぶと「にゃあ」と鳴く。

「帰宅すると、カーペットの上でひっくり返って歓迎してくれますが、触ると噛まれます」

小春ちゃんは抱っこを嫌がるが、なつちゃんは小春ちゃんほど嫌がらない。そのため、家族とは近い関係にある。冬は誰かの布団の中で眠るという。お手とおかわりができ、何か欲しい時は、ベルをチンチン鳴らして「欲しいアピール」をする。そのベルの音につられて小春ちゃんもやってきて、一緒に鳴いているそうだ。

「なつは引き戸を開けてしまいます。うっかり玄関を網戸にすると、網戸を開けて庭にいます。すごく気をつけていますが、出ていることがあって焦ります(泣)」

猫を飼うようになって、子どもたちは兄弟が増えたような感じで過ごしている。「猫がいればお留守番も怖くない」と言うそうだ。

「小春となつが仲良しだったら、と思い描くこともありますが、それぞれ健康で長生きしてくれるのが一番だと思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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