キラキラネームを制限する法改正「賛成」が8割超 一方で「命名は個人の自由」「国が口を出すものでは無い」との声も

「キラキラネームを制限する法改正」に約8割が「賛成」--そんな調査結果が、弁護士ドットコム株式会社(東京都港区)が実施した「キラキラネームを制限する法改正」に関する調査で分かりました。

調査は、弁護士ドットコムの一般会員1048人を対象として、2023年6月にインターネットで実施されました。

戸籍法の改正にともない、2024年度から戸籍に読み仮名を必須とし、漢字本来の読み方と違う、いわゆる「キラキラネーム」に一定の制限がかかる見通しです。基準の詳細は今後明らかになりますが、法務省は例として、以下のようなケースが認められないとしています。

(1)漢字とは意味が反対 「高(ヒクシ)」

(2)読み違いかどうか判然としない 「太郎(ジロウ)」

(3)漢字の意味や読み方からは連想できない 「太郎(マイケル)」

そこで、「”キラキラネーム”を制限する法改正の認知度」を調査したところ、66.8%の人が「知らなかった」と回答し、法改正が認知されていない実態が浮き彫りになりました。

続けて、「キラキラネームへの制限が強化されることをどう思いますか」と聞いたところ、82.2%の人が「賛成」(賛成:51.1%・どちらかといえば賛成:31.1%)と回答、「反対」は6.7%、「どちらともいえない」は11.1%となりました。それぞれの回答には以下のようなコメントがありました。

   ◇   ◇

▽【賛成派の意見】「名前で表現の自由を発揮しないで」「いじめられて、つらい思いをした」

・表現の自由を主張される方がいるが、子どもの名前で表現の自由を発揮しようとしないで欲しい。日本の名前も一つの日本文化と理解し、慣例に沿った形で命名をするべきだと思います

・明らかに合わない読み方のものは、認可する必要はない。それでもつけたいのなら、平仮名やカタカナを使えばいい

・自身がキラキラネームに近い名前で、常用外の読み方をするため人生で何度も名前を訂正しなければならず、子どものころは名前をもじったいじめもあり、つらい思いをした。30代となった今、人前で名乗ることが恥ずかしいとも感じます

▽【どちらともいえない派の意見】「命名は個人の自由」「トラブルや混乱が予想される」

・わざわざ法で制限しなくても良いように思う。それよりも、命名の時に両親や親族に、キラキラネームと言われる例を挙げ、その名前を子どもにつけて責任を持てるのかなどを確認する方が良い

・名前は個性を持つ一面もあるので画一的な処理になってはならず、またキラキラネーム世代が親になり時代とともに価値観も変わるかもしれません。明らかに人の名前として不適切なものを制限するということで良い

・命名は本当に個人の自由だからどのようにつけてもいいと思う。現行のままにしておき、いわゆるキラキラネームと思われる名前を子どもが物事の分別がついてから改名できるハードルを下げるほうがいい

▽【反対派の意見】「時代で感性が変わる」「国が口を出すものでは無い」

・名前は記号であり、その読みも記号だと考えます。グローバル化の中で漢字の「表意」性は相対的に意味が薄れていると思います。自己責任で良いと思います。

・国民の自由を国家が制約するものであるため、立法してまで強制力を持たせるのは行き過ぎだと思う。ただ、名付けられる子の立場からすれば、過度な「キラキラネーム」は子の利益に反するので、多少の制約はやむを得ないようにも思う

・時代で感性が変わるので今は悪く思えても将来わからないため。それよりも後々、自分で名前を変えやすいようにすべき

・何が良くて何がダメかは、国が口を出すものでは無いと思います

   ◇   ◇

なお、「法改正でキラキラネームは減ると思いますか」と聞いたところ、「減ると思う」(減る:15.5%・やや減る:42.5%)と答えた人は58.0%、「減らない」(あまり減らない:11.1%・減らない:3.5%)と答えた人は14.6%、「どちらともいえない」は27.5%となりました。

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