令和のたまごっち、現実より子育て支援充実 ベビーシッター完備 お見合い、結婚、独り立ち…「親心も体感」できる育成玩具に
1996年に誕生して社会現象になったたまご型の育成玩具「たまごっち」。かつては、数日間目を離して死なせてしまう人もいたようだが、今では忙しい時にお世話をシッターに頼める機能があるなど、福祉が充実している。お見合いや結婚もするほか、大事に育ててきた子が突然、「独り立ちしたい」と申し出ることもあるとか!「親心も体感できる」今の仕様になった経緯を発売元のバンダイに聞くと…。
■箱入り娘の一言にショック
「朝7時から夕方までシッターさんが家に来てくれるから死なせずに済みそう…。福祉が進歩していて感動した。たまごっち界にはいい政治家がいるのかも」。そうX(旧ツイッター)に投稿したのは、1児の母の平栗あずささん(37)。家電量販店でおもちゃを見ていたら懐かしくなり、約30年ぶりにたまごっちを購入したという。「小学生の頃は放課後に友達と集って、成長したキャラクターを見せ合っていました。学校に誰かが内緒で持って来て、『ピー』と音が鳴ってバレるとか、思い出が詰まっていますね」
当時はモノクロで、死ぬと墓と幽霊のアイコンが出る仕様。今はカラーで、部屋を模様替えしたり、バーチャルの街に旅行に行ったりできるという。たまごっちたちのマッチングパーティーで出会いがあり、パートナーになることもあるといい、「箱入り娘なので手元に居てほしくて拒否していたんです。そしたら、『独り立ちしたい』と言われて…。悲しいですが、止めるのもと思い許可したんですけど(笑)どこかで元気でいてくれたらな」
■ 「生きている感じ」が重要な要素
バンダイによると、たまごっち界も紆余曲折あったそうだ。女児ユーザーが多く、「死んでしまうのが玩具として子どもにとってショックなのではないか」との議論も。2009年には死ぬ設定をなくし、「置手紙を置いて家出」に変更。14年には、ご飯をあげてHAPPY度が下がらないようにお世話する「たまシッター機能」を導入した。
16年に発売した「Tamagotchi m!x」は世代をつなぐがコンセプトで、「死」の概念を切り離せないものに。「お世話・育成遊びに加えて、自分の思い通りにならないドキドキ感や、同じ時間を過ごしている・生きている感じも重要な要素になりました」と担当者。死ぬ設定を復活させたほか、結婚させ、遺伝子を引き継いだまま育てられるようにした。進化は止まらず、今年7月に発売が始まった「Tamagotchi Uni」はWi-Fiを搭載。世界各国のたまごっちと出会えるメタバース空間も設けた。
たまごっち界の政治家たち、豊かな生活を提供するために頭をひねっています!
(まいどなニュース・山脇 未菜美)