ストレス?尻尾を噛む癖が抜けない子猫をお迎え 見かねて手術で尻尾をカットすると→“別猫”のように穏やかに

■張り紙の写真に一目惚れ

とろろちゃん(1歳3カ月・メス)は、小さな商店街に張り出されていた里親募集のビラに掲載されていた。飼い主はたくさんの猫を飼っていたのだが、1匹が逃げ出してしまった。その後、妊娠して帰ってきて、出産したうちの1匹がとろろちゃんだった。もともと多頭飼だったので、これ以上増えては困る…と里親募集をしたという。子猫は4匹産まれて、真っ黒のオスはすぐに貰われていった。しかし残りの3匹は貰い手が見つからず、張り紙を商店街などに掲示させてもらっていた。

沖縄県に住むAさんは、その張り紙の写真を見て一目惚れ。すぐに電話してとろろちゃんを見せてもらい、そのまま迎えたそうだ。

「3匹全員引き取ってほしいと言われたのですが、家には先住猫(ころり)がいたので、私はとろろを引き取りました。とろろは他の2匹より小さく、1匹でいたのが気になったのです。残りの2匹は彼氏の家族が引き取ることになりました」

■寝言をむにゃむにゃ言う猫

とろろちゃんは、生まれつきなのか、もしくはストレスなのか、自分の尻尾を噛む癖があり、尻尾の先から出血しているのが辛そうだった。

「痛みで大きな声を出したり、ひどい時は家が血まみれになることもありました。自分で噛んで痛みで走り回るため、獣医さんにテーピングのようなものでしっぽを巻き続けてくださいと言われ、パートナーととろろを押さえて尻尾のテーピングを毎日貼り替えました。とろろからすると、また痛いことをされる、と思っていたと思います。私たちのところに寄り付くことはありませんでした」

しかし、テーピングではもうカバーしきれなくなり、とろろくんは尻尾を切る手術をした。まだ生後5カ月ほどだったので全身麻酔がとても心配だったが、痛みで辛いのもかわいそうだと悩んだ末に手術を決めたという。

「手術を終えてから人(猫)が変わったように甘えん坊になり、ゆったりくつろいで過ごすようになりました。のんびり屋さんなので名前はとろろにしました」

とろろちゃんはマイペースで甘えん坊。急に寝転んで腹を出して寝る。朝方に毎日「撫でてくれ」と、Aさんの顔を手でとんとんして、にゃーにゃー鳴く。撫でると納得するようでピタッと鳴き止む。

「寝ている時に人間みたいに寝言をむにゃむにゃ言うのが可愛いんです」

仕事の疲れや日常のストレスを癒してくれる猫たち。

「猫は自由奔放なので、私が一緒に寝たいと思った時にそばにいてくれるわけではありませんが、ふとした時に隣りで寝ていたり、くつろいでいたりします。そんな姿を見るたびに幸せだなと実感します。ころりととろろを家族に迎えて本当に良かったです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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