横浜市の建築設計事務所トリプルスリーアーキテクツは7月から、自社でリノベーションを手掛けたキャンピングカーのレンタルサービス「van hotel」を始めた。ホテルのような居心地を実現しようと、ナラの木材や左官材などを使って落ち着きのある内装に仕上げ、車外までスライドできるキッチンといった機能面にもこだわった。

大のキャンプ好きだという同社の宇津木喬行代表のアイデア。既存のキャンピングカーでは「空間としてホテルや旅館などと比較すると満足しえない」と感じたのがきっかけという。普段協働している熟練した職人の手仕事を活かし、住宅をリノベーションするのと同じように車の内装を設計・デザインしたいという思いがあった。構想から3年ほどかけてサービス開始に至った。

キッチンにはステンレスシンクがあり、キャンプ時などは車外までスライドできる。また車後方のリヤゲートを開け、ウッドデッキとして使うことも可能。内装のキーマテリアルには籐（ラタン）を選んだ。柔軟性があって軽いため車の内装に適しているといい、見た目も圧迫感を感じさせず品の良いしつらえを整える。

また木材には、高級家具に使われることも多いというナラをふんだんに使用。左官材も取り入れ、暖かな光で落ち着きを感じられる空間に仕上げた。ベッドは1階と2階（運転席上部）にあり、快適に過ごせるのは大人2人程度、最大定員は4人。小型ペット同伴可。

「利用者が自分の好きな場所を自由に選び、気軽に泊まることができる上質なホテルを目指しました」と宇津木代表。将来的には、自邸を建築家に頼むように、マイキャンピングカーを建築家と一緒に作り上げるサービスも視野に入れているという。

2024年8月末までのモニターキャンペーン料金は、63000円(平日、1泊2日)など。貸出・返却場所は横浜市西区伊勢町。詳細や予約は公式ホームページから。問い合わせはinfo@333architects.comまで。

（まいどなニュース・小森 有喜）