たった1秒で一生が変わる…「夏休み、どうかご安全に」池袋暴走事故遺族の松永さんが切なる願い 妻と娘の死「無駄にしない」

ほんの一瞬で人生が変わってしまうこともある交通事故。楽しいレジャーや旅行も台無しに。そんなことにならないように、X(旧ツイッター)にこんなメッセージを投稿した池袋暴走事故遺族の松永拓也さん(@ma_nariko)。一つ一つの言葉の重みが伝わってくると注目されています。

「夏休みで遠出、運転が増える方へ。どうかご安全に。たった一秒の出来事で一生が変わるかもしれない。それが交通事故です。交通ルールを守って、安全で楽しい夏休みをお過ごしください。交通事故で家族を亡くした者としての願いです。」

心の声を振り絞るような投稿に、リプ欄には、

「ゴールド免許持ってる私ですが、横断歩道で安全確認を怠って先日歩行者妨害で取締り受けました。暑さで集中力を欠いてしまうことがあるので気をつけたいですね。」

「今年の更新でゴールド免許になりますがこれを一生維持できるように気をつけます!大切な命を守るためにも!」

「他人事と思っていた事件事故が自分に降りかかることがあります。皆様、どうか加害者にも被害者にもならないで下さい。」

というリプライがたくさん寄せられ、「いいね」は6.5万件にもなりました。

松永拓也さんにお話を伺いました。

ーーほんの一瞬の不注意が原因で交通事故は起きてしまう。

「明確な危険運転によって発生する事故もあるので一概には言えませんが、交通事故のほとんどは安全不確認や脇見運転などが原因で発生しています。それを踏まえると、一瞬の不注意が原因の事故は多いと思います」

ーー多くの人がメッセージに心打たれています。

「私は妻と娘を交通事故で亡くした当時、自ら命を絶つことも考えました。しかし、愛しているからこそ、二人の命を無駄にしないように生きていくと二人の亡骸に誓いました。人間の意識だけで事故は防げませんが、意識ひとつで防げる事故もきっとあると信じています。その為に、交通事故遺族として発信をしています」

ーードライバーはもちろん歩行者も、でしょうか。

「運転者のみならず、交通社会に生きる全ての方に向け発信しております」

ーー多くの方に届いて、事故が減ることを願います。

「私は二人の命を無駄にしないという信念の元で活動を続けています。『活動によって事故が減ったかどうか』というのは数値化できないですし、心の傷が完全に癒えることは生きている限り無いと思います。しかし少なくとも、活動することが自分自身の生きる意味、生きる力になっています」

◇  ◇

夏は心が弾みますが、加害者にも被害者にもならないよう心を引き締めたいですね。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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