連日の猛暑で外猫が脱水症状に…保護依頼が相次ぐ 飼い猫も命の危険あり「脱走対策の徹底を!」

「連日の猛暑で、体力のない外猫が衰弱している、という報告を幾つか受けています。

今日も一匹保護。酷い脱水でした。

飼い猫も脱走した場合は最悪命の危険があります。

大切な家族を守るために、脱走対策をもう一度しっかり確認しましょう!」

連日の猛暑で脱水や衰弱している外猫の保護が相次いでいるとSNSに投稿したのは、埼玉県狭山市の動物保護団体「さやま猫の会」さん(@sayamaneko)。今月3日に保護したのは、木陰にじっとうずくまっていた黒猫です。午後2時半ごろ、「さやま猫の会」のサポーターから「弱っている猫がいる」と連絡を受け、代表が駆け付けました。この日の最高気温は36度ほど。黒猫は目ヤニだらけ、人なれしておらず大きな網で逃げるところを捕獲しました。

「活力がなくヨロヨロとした速歩程度だったので、すぐに捕まえられました。とても瘦せ細っており、捕獲した時には背骨がゴツゴツしていて網の上から触っても極度の脱水と分かりました」と振り返る「さやま猫の会」代表。病院の診察まで時間があったため、黒猫を一度自宅に連れて帰って補液(120CC)をしました。

その後、病院へ。黒猫は呼吸が荒くなっていたため、到着直後、酸素室に入れて診察を待ったといいます。診察の順番が回ってきて、診てもらったところ、黒猫の腹部がボールのように膨れていたのでレントゲン検査を実施。すると胃にガスがたまっていました。

「獣医師によると、胃の中は食べ物がなく、食事内容物からの発酵ガスの可能性はほぼゼロ。というと、年齢による機能低下からなのか興奮して空気を吸い込んで出せないのか…結局ガスの理由が現時点では分かりませんでした。年齢は犬歯が欠けていること、臼歯がボロボロなことも含めて推定10歳以上と言われました」(「さやま猫の会」代表)

受診後の黒猫は、抗生剤投薬1日2回と補液を1日2回。食欲は少しずつ出始め、食べられるようになってきたそうです。

■猛烈な暑さで体力のない外猫が衰弱 昨年よりも保護依頼が倍以上に

代表によると、今年の夏は猛烈な暑い日が続く中、黒猫のように体力のない外猫が衰弱したり、脱水症状になったりしているとのこと。今年は8月初旬時点で昨年の同時期よりも倍以上も弱っている外猫の保護依頼を受けており、保護した猫の中にはそのまま死んでしまうケースもあったといいます。

こんな状況の中、全ての外猫を保護することは難しいものの暑さ対策のために私たちができることはというと…

「このような子たちへの対策として、外に水を置いて欲しいとは思いますが、まず第1は完全室内飼育、終生飼育を行い、外猫を作らないことが最も重要です。しかしながら、この暑さで猫だけが渇きと戦っているわけではなく、生き物全てに『水』は必要であり、わが家の庭にはどんな生き物たちが利用しても良いよう、水鉢をいくつか設置しています」とのこと。

■万が一、飼い猫が脱走してしまった場合には?

また暑いからこそ外へ逃げ出さないよう飼い猫に対する脱走対策の徹底を呼び掛けるとともに、万が一逃げてしまった時の対応についてこう話します。

「脱走対策をしていても猫は容易に脱走し迷子になります。宅急便などのチャイムで逃げて隠れる子は比較的脱走しませんが、人なれしていて足元にまとわり付くような猫は要注意です。脱走するパターンは、飼い主と一緒に玄関や勝手口から出たり、あるいは2階のベランダから隣の家のひさし伝いに逃げる場合もあります。

また猫は慣れていて家の中で抱っこができても、外に行けば知らない環境に置かれたパニックで捕まえられないこともあったり。ただ基本的には24時間以内であれば脱走付近にいる可能性が高いです。その時は、トラップ(わな)を仕掛けると同時に使用したトイレ砂を脱走した経路出口、トラップ付近に置いておくといいです。自分の臭いが確認できると帰還率が高まります」

「さやま猫の会」では脱走対策の徹底を譲渡条件にしているものの、もし仮に脱走してしまった場合は、深追いせず脱走した瞬間に電話してもらうことを里親さんに伝えているそうです。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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