多頭飼育崩壊から救出 百人一首「由良の戸を…」から名付けた子猫はエイズキャリアだった 「うちに来た子はみんな幸せにしてあげる」

■先住猫の遊び相手に

ゆらちゃん(1歳9カ月・メス)は多頭飼育崩壊した家にいたところを保護され、仲間たちと群馬県の動物愛護センターに収容された。保護団体がセンターから猫たちを引き出して譲渡する準備をしていたが、神奈川県在住の美由紀さんはその一報を聞き、団体が募集をかける前に面会に行った。先住猫まるちゃんの性格を伝えて、相性が良さそうな子を選んでもらったそうだ。そこで縁があったのがゆらちゃん。2021年12月31日のことだった。

「16歳の老犬が亡くなった半年後に、20歳の老猫も亡くしました。まだ若い猫のまるが一人ぼっちになってしまったので、遊び相手が必要だと思い猫を探しました。その後、妹が以前保護猫を迎えたときの団体さんを紹介してもらい、ゆらと師走に面会、1月2日に迎えに行きました。初めて会った時は、控えめな子だなという印象でした」

■うちに来た子はみんな幸せ

ゆらちゃんは、連れて帰る車の中でゴロゴロ言いながら爆睡していて、家に着いても環境の変化に全く動じなかった。先住のまるちゃんに威嚇されながらも、近くに行きたくて仕方ない様子だったという。

名前は、娘さんがつけた。百人一首の『ゆらのとを…』にちなんでいるという。

ゆらちゃんはとにかく明るくて遊ぶの大好きだ!!食べることはもっと大好き!!猫なのに、表情が豊かな気がするという。

「走るのは早いのですがジャンプは苦手なようで、たまに失敗します。あと、とても人見知りします。食べ物は茹でたブロッコリーが大好物です」

ゆらちゃんはエイズキャリア。1歳を過ぎて3度目の検査もしたが陽性だった。

「保護団体は、エイズや白血病の検査をしないで譲渡に出しているところでした。譲渡時の誓約書にも書いてありました。私は今まで4匹の拾った猫を飼ったことがあるのですが、エイズや白血病の猫は1匹もいなかったので軽く考えていました」

エイズキャリアと判明した時、美由紀さんはショックを受けた。まるくんが陰性なので感染しないように配慮している。

「エイズは免疫不全なので、万が一まるにうつったとしても栄養とストレスに気をつけていれば寿命を全うできると信じています。うちにきた子は、みんな幸せにしたいと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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