「幼少期の体験で猫が苦手、飼うつもりなかった」用水路に落ちてた子猫を救助 どんどん猫沼に「怖いのは思い込みだった」
■用水路に落ちていた子猫
金太郎くん(11歳・オス)は、11年前の5月、岡山県在住のMさん宅前の用水路に落ちていた。Mさんは金太郎くんを救助したが、母猫が近くにいるかもしれないと思ったので一旦離したという。
「それから数日後、自宅敷地内で1匹で隠れていたのを見つけ、2012年5月21日、正式に保護しました。生後2ヶ月くらいでした」
■猫沼にはまる
Mさんはもともと猫が苦手で、妊娠中だったことやアパート住まいだったこともあり、犬や猫を飼おうとは思っていなかった。ところが、金太郎くんを保護して気持ちは一変した。
「金太郎と一緒に暮らしてみたら、猫への恐怖心は消え、愛おしい存在になりました。それからどんどん猫沼にはまっていき現在に至ります」
家に迎えた日、金太郎くんはずっと外で暮らしてきたので緊張したのか、ごはんを食べたらケージの中でひたすら寝ていた。ただ、野良猫だが、人見知りも全くしなかった。
大きな体でノミの心臓だという金太郎くん。新入り猫が来てもすぐに受け入れてくれる優しい面もある。パパのことが大好きで、パパが家にいるといつも付きまとっているという。
「私は幼少期の体験が原因で猫が苦手でした。でも、改めて接すると、怖いというのは思い込みで、実際は甘えん坊で寂しがり屋で、とても愛情深い生き物なんだということを知りました。猫は気まぐれというように、人間の思い通りにならないこともあります。手がかかることも増えましたが、それすらも愛おしく許せるようになりました。猫のおかげで心が広くなったような気がします」
金太郎くんを迎えてから半年後に誕生し、金太郎くんと一緒に育った長男は、金太郎くんのことを「兄のような存在だ」と言っている。
「生まれた時から猫と暮らしている息子達は面倒見が良く、とても感受性豊かな、優しい立派な猫バカに育っています。4人と8ニャン、これからも健やかに穏やかに過ごしていきます」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)