「行けばどうにかなる、と思わないで」人口160人の孤島で生きる女性YouTuberが来島の心構え訴え 役場も注意「事前に宿泊予約を」

 行けばどうにかなると思わないでーー。伊豆諸島最南端の離島で暮らす女性の訴えが話題になっています。

 YouTubeチャンネル「青ヶ島ちゃんねる」を運営するKAEさんは、「絶海の孤島」「日本一人口が少ない村」などと呼ばれる青ヶ島(東京都青ヶ島村)生まれ。島は東京都心から約358km、八丈島から68kmの洋上に位置するため、本土からの直行便はなく、八丈島を経由して船もしくはヘリコプターで渡ります。島内には宿泊施設が数軒しかなく、バスやタクシーもないため、島へ渡る前には宿の事前予約が必須です。

 この特殊な事情を知ってもらおうと、KAEさんは8月中旬、自身のエックス(旧ツイッター)を更新。来島の心構えの一つとして次のような投稿をしました。

 「宿泊先が決まってないと青ヶ島には上陸できません これは160人で生活している青ヶ島に入る最低限のルールです 『行けばどうにかなる』とも思わないでください 船で青ヶ島に着いて、宿やレンタカーを予約しようとしても、みんな出払っていて電話に出ません 足もない宿もないでケガや熱中症になられても困ります 港にいる人たちは客の迎えや荷物の運送で来ています」(KAEさん投稿より引用)

 投稿を読んだユーザーからは「これすごく大事なことです」「現地の人に迷惑をかけるのはダメ」「離島以外の地方の観光地でも同じことが言える」「気をつけたい」など、たくさんの反響が寄せられ、いいねの数は9千を超えています。

 家業の民宿を手伝いながら、インターネットを通じて島の魅力を発信し続けるKAEさんは、「私を含め多くの島民が兼業でいくつかの仕事をしています。宿の人が漁業をやっていたりすれば、今日は船で漁に出るから宿は休みなんてこともあります。調整して予約を受けています。160人でインフラを回しています」と説明。「観光で来てもらうのはうれしいことですが、まず生活があって、お客さんを受け入れていることを理解してください」と呼びかけています。

■村役場でも注意喚起「急な対応できません」

 青ヶ島村役場でも同様の注意喚起を行なっており、ホームページには「青ヶ島に来島する前に必ず民宿または村営キャンプ場の宿泊予約をしてください!当村には民宿が6軒のみで来島してからご連絡いただいても急に対応することが出来ません。各交通機関で宿の予約が確認出来ない場合には乗船をお断りすることもございますのであらかじめご了承ください」とあります。

 旅行先のルールや習慣を理解しないで行動することは、自身の命にかかわることにもなりかねません。訪問先の地域で暮らす人や働く人に迷惑をかけない、安全な旅を心がけたいですね。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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