野生のウサギが、ブルーベリー収穫のお手伝い!?「小さくてかわいい従業員さん、いつもありがとう」

 昨年に引き続き、今夏も農園のブルーベリーを食べに来た野生のエゾユキウサギさんの動画がX(ツイッター)にポストされ話題になりました。いかにも美味しそうに食べている姿に対し投稿した「びえいハスカップファーム」さんは「小さくてかわいい従業員さん、いつもありがとう」といいます。いったいどんな役に立ってくれているのでしょうか?

 「今年もブルーベリーを食べてお手伝いしてくれるうさぎさん。北海道も例年にないくらい暑い日が続きいつもより傷んで落ちやすいので本当に助かります。下の方の果実は汚れていなくても人手が足りなく収穫できそうにないのでお掃除屋さんに感謝。小さくてかわいい従業員さん、いつもありがとう」

こんなコメントとともに動画を投稿したのは、北海道上川郡美瑛町にて投稿主である息子さんとお母さんが親子でハスカップとブルーベリーの生産・加工・販売をしている農場「びえいハスカップファーム」(@haskapfarm)のアカウントです。

 ブルーベリーを食べに来るのは野生のエゾユキウサギさんで、投稿主さんは「数年前から農場に数匹住みついています」と話しています。昨年夏も一生懸命ブルーベリーを食べる姿がSNSで話題になりました。

 「うさぎが食べている下の方にある果実は雨等の跳ね返りで汚れているので商品にはなりませんが、そのままだと腐ってスズメバチなどの病害虫がきてしまうなどの問題があります。本来なら全て収穫したいので、これをうさぎが食べてくれるのは助かります」と投稿主さんは話しています。

「いい仕事ー!」

「うさぎさんがお腹いっぱい食べて幸せ 農園の方も幸せ すてきですね」

「野生の子は脚が勇ましい!頑張って生きるのだよ」

 今年も「小さな従業員さん」が活躍する姿に多くのコメントが寄せられています。リプライで「一般的に野生動物との共生、共存は難しいですがなんとか上手くお互いに生活していますよ」という投稿主さんに聞きました。

■「動物が生きている素晴らしさを実感できる瞬間」

--今年も元気にブルーベリーを食べている姿をご覧になってどう思われましたか?

野生のうさぎさんの寿命は短く、前回とは違う個体だと思いますが、動物が生きている素晴らしさを実感できる瞬間でした。それは普通に草を食べている時もそうです。

--数は増えていますか?いつも単独で食べに来るのでしょうか?

昨年より個体数は若干増えている印象です。基本的にエゾユキウサギは単独行動をする動物なので一匹で食べてますね。食べる時間は数秒です。自分たちでもなかなか見る機会が無いので常にカメラを持ち歩いて仕事してます(笑)。

■一番大切なのは距離感「踏み込んでもいけないし、踏み込まれてもいけない」

--共生していくうえで、一番気をつけていることを教えてください。

彼らと共生、共存していくうえで大切だと自分が考える一番は距離感です。踏み込んでもいけないし、踏み込まれてもいけないんです。あとは自分たちの生活を優先に考えることです。

--具体的には?

私は今までうさぎさんのために何かをしてきた事は一度もありません。自分たちが生活しやすく暮らしやすく、仕事しやすい環境を作ってきた事が自然とうさぎさんの生活にもマッチしただけだと考えています。

■農場にとって、エゾユキウサギはなくてはならない存在

--エゾユキウサギさんは農場とってどんな存在なのでしょう。

エゾユキウサギさんは現状なくてはならない存在になっています。それは兎糞肥料の有用性が大きく、近年の物価高騰の中でのコストダウンに繋がり、地味に小枝を食べてくれたり果実を食べてくれたりするのも役に立ってくれます。さらには日々の生活の中での癒やし効果、様々な仕草や行動による気づき、発見、勉強になる事が無数にあるのでいなくなってしまうと正直困りますね。

■今後のうさぎさんとの関わり方は

 さらに投稿主さんは、農場とエゾユキウサギさんとの今後の関わり方について以下のように語っています。「これ以上深く関わると距離感や、生態系などに影響が出る可能性があるので今がベストかもしれません。あとは他の野生動物の扱いなど色々考える事や対策、農園の設備や畑でもエゾユキウサギさんに関わる事はまだまだありますので、毎日忙しくてつらいですけど、楽しいです」

(まいどなニュース特約・山本 明)

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