預かりスタッフの家を飛び出した生後4カ月の保護犬 「もし事故に遭ったら」スタッフは夜を徹して捜索 翌朝目撃情報が寄せられた
岡山県を拠点に行き場を失った犬の保護活動を行う団体、認定NPO法人しあわせの種たち(以下、しあわせの種たち)。同団体で短期で預かっていた生後4カ月ほどのメスの小さいメスのワンコがいました。名前はモコ。
まだヤンチャな盛りではありますが、人馴れが進むよう預かりスタッフの家でトレーニングを実施していました。新しい譲渡先となる里親さんも決まり、関係スタッフはおおいに喜んでいました。
しかし、そんな矢先の2023年4月のある日、モコがこの家から逃げ出してしまいました。
■「大きな道を渡って逃げていった」という目撃情報
預かりスタッフはモコを脱走させてしまったことを猛省しつつ、一刻も早くモコを見つけ出さないといけません。そのためSNSなどを介してすぐに「迷い犬探しています」の情報を公開しました。
まだ小さいモコなので、逃げ出したもののどうしたら良いかわからず、どこかでおびえて過ごしているかもしれません。そんな中、モコの姿を見たというある人から手がかりとなる情報が寄せられました。モコは逃げ出した後、知らない人に急に近寄られて驚いてしまい大きな道を渡って逃げていったそうです。さらに直近では夕方、預かりスタッフの家から数百メートル離れた岡山商科大学付近でモコが目撃されたとのこと。
そこからの行方がわからないわけですが、日没後は捜索は困難となり、モコ自身が事故に遭う可能性も上がります。
複数のスタッフは、引き続きモコの目撃情報を待ちながら岡山商科大学周辺のモコが行きそうな場所を探し回りました。
■脱走から日をまたいだ翌朝に無事保護
この日はモコを見つけることができませんでした。スタッフは一睡もせず朝まで付近を探し続けました。
翌朝になり、複数のスタッフが捜索していた付近で目撃情報が寄せられました。すぐに捜索していたスタッフに連絡し、無事にモコを保護することができました。
しあわせの種たちのスタッフは、あらためて猛省しました。その上で、地域の方々、情報を寄せてくれた方、情報を拡散してくれた方、捜索の協力してくれた方にお礼を言いました。そして、「やべ。私なんかやらかしたような気がします」というモコに対しては「小さな体でよくがんばってくれたね。お腹も空いているだろうし、喉も渇いているよね。でももう安心だよ!」と声をかけ、叱ることはありませんでした。むしろその勇気と生き延びてくれたモコの強さに感謝しました。
■成長したモコは見事幸せをゲットした
そんな中、「モコを迎え入れたい」という優しい里親希望者さんが現れ、見事モコは幸せな第2の犬生をゲットすることができました。一時は大騒ぎとなりましたが、あの日無事保護できたことで、こんな幸せな日を迎えることができました。
スタッフはあらためて幸せをつかんだモコをまたほめてあげました。「やったね。こんなに早く優しい里親さんとの縁を繋いだなんて。これからは新しい里親さんにいっぱい遊んでかわいがってもらうんだよ」と。
(まいどなニュース特約・松田 義人)