骨が確認できるほどの大けが 駐車場で衰弱し震えていた 保護団体が緊急レスキューした2頭のその後
犬の保護・譲渡活動を通し、犬の殺処分ゼロを目指す団体ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。ある日のこと、動物愛護センターからピースワンコに引き出しの要請が入りました。
前夜に保護されたワンコが片足の肘のあたりをけがしており、骨が見えているそうです。すぐに手当てをしないといけない状態のようです。要請を受け、すぐにピースワンコのスタッフは、動物愛護センターに急行。緊急で引き出すことにしましたが、さらにこの日の朝にもう1頭収容されたワンコもいました。
広島県東部・尾道の駐車場で衰弱した状態で保護され、ブルブル震えているとのこと。震えは人間への恐怖心からのものなのか、それともなんらかの病気によるものなのかがわからないそうです。このワンコもすぐに獣医師に診てもらう必要があり、スタッフはけがをしているワンコだけでなく、震えているワンコも合わせて引き出し連れて帰ることにしました。
■スタッフを不安そうに見ていた2頭のワンコ
片足をけがしているワンコは、引き出しに来たスタッフを前に、ケージの中で丸くなり不安そうな表情をしていました。「これから僕はどうなるの?」と訴えているようでした。
もう1頭の駐車場にいたワンコもまた、体を震わせながらスタッフをじっと見つめていました。保護された場所はどのようにしてこのワンコが来たのかは想像することが難しく、もしかしたら意図的に捨てられたのかもしれない、と思われました。
スタッフはすぐにこの2頭を緊急で引き出した後、すぐケアを施し獣医師に診察してもらうことにしました。
■足を切断する可能性もあった
右足にけがを負ったワンコはどんな経緯かは不明でした。もし治療をしなかった場合、傷口から細菌が入るなどし、最悪足を切断する可能性もあったことが考えられました。幸い最悪の事態はまぬがれ、適切な処置とケアをすれば、けがは完治が望めるとのこと。それを知ったスタッフは胸をなでおろしました。
一方、ブルブル震えていたのワンコはピースワンコの施設に連れて帰っても寝たきりのまま。自力で飲んだり食べたりすることができません。今すぐ命にかかわるような状態ではなかったため、スタッフはシリンジを使って水分や栄養を補給するなど、献身的なケアをし続けることにしました。
■震えていたワンコの飼い主が現れ、元いた環境に戻ることに
しばらく経過すると、なんとこのワンコの飼い主が現れ、無事に家族のもとへ帰ることができました。動物愛護センターに収容されたワンコが、元の飼い主と再会できるケースは少ないものです。「元いた環境に戻ることができて本当に良かった」と喜ぶスタッフでした。
ピースワンコでは日々こういったことの連続で、その都度多くのワンコの命を救おうと活動を続けています。そのためにかかる費用は、全国の支援者からのものでまかなっており、今後も活動を続けるために支援は欠かすことができないとのことです。
もし、興味を持った方はピースワンコに問い合わせしてみてはいかがでしょうか。あなたの支援によって助かる命があるはずです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)