覚えているよ、助けてくれたスタッフさん 施設に里帰りした犬は再会するやお腹を見せて「なでて」アピール
行き場を失った犬の保護および譲渡活動を通じ、犬の殺処分ゼロを目指す保護犬団体・ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。同団体はこれまでに7千頭を超えるワンコたちを迎え入れ、多くを新しい里親さんへの譲渡し、幸せへと導いてきました。保護時、高齢だったり、重篤な持病を持っているワンコは現実的に譲渡が難しいケースもありますが、こういったワンコであっても、与えられた命を全うできるまでピースワンコの施設で世話を続けています。
新しい里親さんとのマッチングを果たしたワンコの中には、ピースワンコを卒業した後も、「里帰り」として同団体に遊びに来てくれることがあります。2020年優しい里親さんと出会い、幸せな生活をつかんだラージャンもそのうちの1頭。里帰りすると、かつて一緒に過ごしたスタッフや仲間のワンコたちと再会し、楽しそうに遊んで帰ってくれます。
■片道3時間をかけて里帰り
「実家」であるピースワンコの犬舎に里帰りすることになったラージャン。聞けば、里親さんからの家からは片道3時間もかかるとのこと。しかし、ラージャンのうれしそうな様子を前にすると、距離と時間はどうってことないといいます。ラージャンに車を乗せると、里帰りを察知するのか、尻尾をブンブン振り回しながら大喜びする様子が何よりうれしいと言います。
犬舎に着くと、ラージャンは大喜び。久しぶりに会うスタッフを前に、すぐにひっくり返ってお腹を見せては「早くなでて」アピールをします。そして、仲間のワンコたちとの再会するや、慣れ親しんだドッグランを走り回ります。
ピースワンコのスタッフもまた、そんなラージャンの様子をうれし思い、「こんなに優しい里親さんに迎え入れられて本当に幸せ者だ!」と思いました。
■「ラージャンに出会えた私のほうが幸せ者です」
しかし、当の里親さんは「自分のほうが幸せ者ですよ」と言い、ラージャンを迎え入れてから楽しいことの連続だと教えてくれました。
「今まで行けなかった所にも行ける」
「ラージャン中心の生活になり、生活の中にメリハリが出来た」
「コロナ禍でいろいろと制限されていたが、ラージャンがいるおかげで落ち込まないでいられた」
「他の里親さんたちと繋がれる」
「今まで知り合えなかったような人たちと知り合えた」
「保護犬のこと、ピースワンコ・ジャパンのことを知る良い機会になった」
などなど。こうやってラージャンとの生活の中から、幸せや楽しい時間を見出してくれる里親さんは、本当に優しくて心がきれいな人だとスタッフはあらためて思いました。
そして、ラージャンが優しい里親さんと出会えたように、これからも1頭でも多くの命を救い、幸せな第2の犬生へと繋いでいきたいと、スタッフはその思いを改めて強く胸に抱きました。
(まいどなニュース特約・松田 義人)