映画にドラマに歌舞伎に舞台…今年も大車輪の片岡愛之助が吠える「全部真剣勝負です!」 ディズニー映画「ホーンテッドマンション」では日本語吹替を担当
ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化した「ホーンテッドマンション」が9月1日(金)、全国公開される。呪われた館の謎に挑む4人の心霊エキスパートの一人で、調子が良すぎる神父(?)ケントの吹替を担当した歌舞伎俳優の片岡愛之助さんは「怖さもあり、笑いもあり、そして何より人間ドラマに泣かされました。あっという間の2時間で、見終わったらすぐディズニーランドに行きたくなりますよ」と面白さに太鼓判を押す。
舞台に映画に、と常に引っ張りだこの愛之助さん。映画の仕事はこの「ホーンテッドマンション」を含めて今年は何と5本にも上り、さらに先日までは京都・南座で坂東玉三郎特別公演に出演していた。この後も博多座で十三代目市川團十郎白猿襲名披露、兵庫県豊岡市の出石永楽館での4年ぶりとなる永楽館歌舞伎…と怒涛のスケジュールが続く。
「今年が特別忙しいというわけではなく、そういう人生です。でもひとつずつ丁寧に、全力でやっています。今日のインタビューも真剣勝負ですよ!」
ニューオーリンズの奥深くにある屋敷を破格の値段で手に入れたシングルマザーのギャビー。友達ができずに悩む9歳の息子トラヴィスと共に、そこで新たな生活を始めようとするのだが、この豪華すぎる“マイホーム”には多種多様なゴースト999人が暮らしていたのだった…。
日本語吹替版で愛之助さんが演じたケント(オーウェン・ウィルソン)は、悪魔祓いで小遣い稼ぎをしている“クセ者”だが、ギャビー母子に依頼されて悪霊退治に挑むことに。そしてケントに招聘された「チーム」の面々は、ケントに負けず劣らず、いずれも悩みやトラブルを抱えたやはりクセ者ばかり。自在に形を変える不可思議な屋敷で繰り広げられるゴーストたちとの闘いだけでなく、最初バラバラだった彼らがミッションを通じて一致団結し、誰もが前向きに人生を見つめ直すという奥行きのあるストーリーも見どころとなっている。
「ケントは軽妙でほどよく適当、でもやるときはバッチリやるところが本当に素敵で、声を演じていて楽しかったです。というより、やっぱり根が役者だからでしょうか、むしろ自分で演じたくなってしまいました。声の演技は繊細で難しく、もちろんそこが大きな魅力でもありますが、どうしても『自分の顔と体で演じてみたい』という気持ちが湧いてくるのは止められないですね」
ウォルト・ディズニー・カンパニーは今年が創立100周年に当たる。その節目に、ディズニー映画に参加できたことを愛之助さんは心から喜んでいるという。
「まさか自分が関われるとは思っていなかったので、感謝しかありません。両親が生きていたら、きっとすごく喜んでくれたことでしょう。エンドロールの最後で自分の名前が出たときに、何とも言えない気持ちになりました」
「今回、吹替の仕事をさせていただいたことで、たくさんの学びがありました。ありがたいことに色々な仕事をいただいていますが、作品ごとに力を入れるポイントや求められるものが全く違うので、毎回新鮮な気持ちで挑めるのが本当に楽しいです。この経験を生かして、次のディズニー作品にも出たいと思っていますよ。『100周年だけじゃなくて101周年もですか』って? 当たり前じゃないですか(笑)。ぜひ、よろしくお願いします」
「ホーンテッドマンション」は9月1日(金)、全国ロードショー。
(まいどなニュース・黒川 裕生)