「こんな鉄道があったらいいな…」と"架空鉄道"のアイデアを募集するキャンペーンがX（旧Twitter）で注目を集めている。

このキャンペーンは不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」が企画したもの。応募者は「#ホームズ架空鉄道選手権」というハッシュタグを付け、思い思いの架空鉄道を投稿。入選した者には賞品がプレゼントされるのだが、8月2日から16日の募集期間に寄せられた応募数はなんと計6621件。応募者のフォロワーや鉄道ファンも巻き込んだ架空鉄道談義が大きな盛り上がりを見せているのだ。

■LIFULL HOME'Sに聞いた

企画の仕掛け人であるLIFULL HOME'S事業部の渋谷さんに話を聞いた。

ーー「架空鉄道」というテーマを思い付いた経緯を。

渋谷：LIFULL HOME'Sは不動産情報サービスですが、住まい探しの際に重要な指標の一つとなるのが交通利便性です。多くの方が利用する公共交通機関の鉄道に注目し、その中でも特にロマン溢れる未成線に光を当てた「実現してほしかった未成線ランキング」というものを発表したのですが、その反響は私たちの想像をはるかに超えるものでした。

そこで、未成線に限らず「ここに鉄道があれば…」という妄想を広く募集したいと考え、「ホームズ架空鉄道選手権」を開催することにしました。

ーーこれまでの反響へのご感想をお聞かせください。

渋谷：私自身も昔から「ここが鉄道でつながっていたら」「ここに駅があったら」とよく妄想していましたが、「笑われるのでは」と思い、人に話すことはありませんでした。

しかし、いざホームズ架空鉄道選手権を開催してみると、こんなにも多くの方が同じようなことを考えていたことに、大変驚きました。

アイデアに賛同が集まったり、ブラッシュアップされて盛り上がる様子を見ていると、これをきっかけに現実世界が動き出すのではないかとさえ思えましたし、どんな非現実な妄想でも、それは恥ずかしいことでもなんでもなく、素晴らしいイノベーションの種なのだと実感しました。

ーー特に注目されている投稿があればいくつかお聞かせください。

渋谷：いくつもあるのですが、まずは「仙台周辺路線ネットワーク」。自分の住んでいる土地の交通網がもっと発達したら…という王道の妄想ですね！次に「阪急神戸線～神戸市営地下鉄西神線相互乗り入れ案」。ちょっとつなぐだけで便利になる、共感を生みそうな架空鉄道です。また「西伊豆鉄道」もいいなと思いました。架空の鉄道会社ですが、公式サイトもあってだまされる人すらいそうなリアルさ、設定の細かさです。

ーー渋谷さんがあったらいいなと思われる架空鉄道をお聞かせください。

渋谷：小さい頃、ブルートレイン（客車を使用した寝台列車）での旅に憧れていましたが、大人になったときにはもうありませんでした。夜行列車には、通勤電車や通勤電車にはない旅情があります。車窓に流れる夜景を見ながら眠りにつく、眠り眼をこすりながら目的地に降り立つ。そんな旅がしたいので、全国に現代版のブルートレインネットワークが広がってほしいなと思います。

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選考結果が発表されるのは9月5日。果たしてどんな投稿が受賞するのか楽しみにしたい。

（まいどなニュース特約・中将 タカノリ）