ほかの犬を押しのけ「抱っこ、抱っこ」と言っているみたい…保護施設で一番鳴いて吠えていた、殺処分間近だった子犬を迎えて
すずちゃん(6歳・メス)は、2016年4月14日の熊本の大震災後に母犬と阿蘇の山をさまよっていたところを保健所に保護された。飼い主を募集していた。
鹿児島県在住の橋本さんは、すずちゃん親子のことをネットで見守っていたが、2017年11月22日、殺処分間近と掲載された。
「夫と相談し、鹿児島から会いに行きました。すずは生後2ヶ月くらい。保護施設で1番鳴いて吠えていました。他の犬を押しのけて『抱っこ、抱っこ』と言っているようでした。」
その日のうちに先住犬の柴犬ハルちゃんと対面させ大丈夫ということだったので、夫妻はそのまま鹿児島に連れて帰ることにした。母犬は後に保護団体が引き取ったそうだ。
■出会えて良かった
すずちゃんは、まず家の中を探検した。先住犬のハルちゃんは、家中を道案内した。
「名前は、保護施設からの帰り道、車の中で見ていたテレビに出ていた女優さんが広瀬すずちゃんでした。そこからすずにしました。」
すずちゃんは、怖がりなのか1匹でいるのを嫌がる。
「必ずハルと一緒でないと吠え続けます。芋が大好きで、芋を蒸していると蒸し器の前で待っています。すずは夫のことも好きで必ず腕枕で寝ています。」
すずちゃんを迎えて、より楽しくなったという橋本さんは言う。
「散歩も2匹一緒に連れていくなど大変な面はありますが、ハルがすずの面倒を見てくれてトイレもごはんも全てハルが優しく教えてくれました。そうした様子を見ていると、2匹を出会わせて良かったなと思います。私たち家族も2匹に出会えて良かったと心から思います。」
橋本さんは、たくさんの人に保護犬の家族になってもらいたいと、以前にも増して強く思うようになったそうだ。インスタグラムには、家の中から橋本さんを見送るすずちゃんが、「置いていくのですか」と言っているような姿など、ハルちゃん、すずちゃんの可愛らしい写真がたくさん掲載されている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)