雪原を駆ける姿にこみ上げる思い 臆病な半野犬が人間を信じてくれるまで 心身ともに成長したね

真っ白の雪の北海道を嬉しそうに颯爽と走り抜ける1頭の子犬。くったくのない表情を見ると、見る側も顔がほころんでしまいますが、実はこのワンコ、かつては半野犬として生まれ、劣悪な環境を過ごしていたところを保護された子犬でした。

■見たことがないもの、想定外の場面で恐怖から吠えてしまうことも

北海道紋別郡にある滝上町では、長年、餌付けされた半野犬たちが山中で繁殖するという問題を抱えていました。北海道を拠点に動物の保護活動を行う、認定特定非営利活動法人HOKKAIDOしっぽの会(以下、しっぽの会)では、この問題の解決に取り組み続けていますが、2022年10月、その滝上町で他の子犬のきょうだいたちと一緒に保護したのが、このワンコのマキアでした。

滝上町にいる半野犬に共通するのは「人間で不慣れで、臆病だ」ということ。マキアもかなりの人見知りでした。他のきょうだいと比べると、少し神経質な面もあり、見慣れない人や場所には特に敏感。想定を超える場面や見たことがないものを見ると、怖さのあまり吠え続けることもありました。

■団体スタッフと親睦を深め、散歩中にはアイコンタクトをマスター

しかし、しっぽの会スタッフの優しく手厚いサポートやトレーニングのおかげで、マキアはみるみる成長していきました。

トレーニング当初は、散歩に行く際もビクビクしっぱなしのマキアでした。そのたびにスタッフは「怖くないよ。大丈夫だからね」と声をかけ、マキアのペースを優先させながら接しました。この甲斐あって今では上手に散歩できるようになり、さらにはリードを引くスタッフのほうを振り返り「散歩って楽しいね」とアイコンタクトをとってくれるようにもなりました。

信頼している人からなでられること、抱っこされることも大好き。一緒に保護されたきょうだいの中でも特に甘え上手な一面があり、スタッフに自ら近寄っていき「なでて!」とかわいくおねだり。その甘えん坊な姿に、スタッフもメロメロです。

■心も体も成長し、風格さえ感じさせるようになった

保護当初に比べれば、すっかり体も大きくなったマキア。里親募集を実施し、ピッタリの優しい里親さんとの出会いを今日も待ち続けながらしっぽの会で楽しく暮らしています。恐怖のあまり人間に対して吠えることもあったマキアですが、その優雅な毛並みと合わせて風格さえ感じさせるようになりました。マキアが本当の幸せな第2の犬生を踏み出すのは、あと少しです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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