味噌の上の白い紙、捨てていいの?→大手メーカー「捨てて大丈夫です」 味噌のプロ「保管は『冷凍庫』で」
「パックの味噌に付いている白い紙は捨てていいのか調べてください」ーーまいどなニュース編集部に複数の読者から取材依頼が来ました。たしかに透明カップの味噌は白い紙で覆われている商品が多い印象です。SNS上では「味噌の上の紙、捨てていいのか迷う」「白い紙、いるの?いらないの?」「味噌の紙、邪魔なんだけど微妙に捨てにくい…」などの声が。開封後は捨てていいのか、残すべきなのか。調べました。
■マルコメ「捨ててしまって大丈夫です」
大手メーカー「マルコメ」(本社、長野県長野市)は「捨ててしまって大丈夫です」。
同社商品の一部には、脱酸素剤と白いシートが入っています。脱酸素剤は、開封前の容器内にある酸素を吸い取り、味噌の表面の酸化を防ぐため。一方、シートの役割は「脱酸素剤が味噌の中に埋まってしまわないように敷いてあります」。開封後、紙は処分しても問題なく、脱酸素剤についても「開封後は効果がなくなってしまうため処分してください」。
最近では環境に配慮し、シートと脱酸素剤を使用しない商品も発売されているようで、「別の技術により、上部すき間の空気をガス(窒素と炭酸ガスの混合ガス)で置換してパックし、味噌表面の酸化を防いでいます」(同社サイトより)。
他社でもホームページや公式SNSなどで「白い紙」について説明しています。
マルカワみそ(本社、福井県越前市)では、ホームページに「味噌の上に敷いてある白い紙は、味噌の表面が変色しないようにするためのものです。捨てても構いませんが、敷いておくと、変色、変質を緩和します」。山崎醸造(本社、新潟県小千谷市)公式SNSでは「白い紙は、カップのお味噌の蓋にお味噌が付いて汚れないように入れられているものです。ご家庭でご使用の際には捨てていただいてもそのままでもどちらでも問題ありません」と案内しています。
■味噌のプロ「冷凍庫での保管がおすすめ」
「人によっては紙の扱いが面倒くさいという人もいるでしょう。雑菌が混ざらないようにきちんと保管してもらえたら、邪魔くさいと感じる人は取っていただいても結構です」
こう話すのは「みそ健康づくり委員会」の委員長、鈴木亮輔さん。全国の813企業が所属する「全国味噌工業協同組合連合会」の中の組織で、味噌の情報を発信し続ける、味噌のエキスパートです。
味噌の上の紙やシートについては、メーカーにより材質が違っていたり、二重にしていたり。社によって見解もまちまちだそう。「どっちが良くてどっちがダメということはないんです。雑菌をはびこらせないようにすることと、風味が落ちないようにおいしさを保つことが重要です」(鈴木さん)
おすすめの保管方法を教えてもらいました。
「味噌は、大豆と麹と食塩を混ぜ合わせ、発酵・熟成させたものです。乾くと風味が落ちてしまいます。商品を開封後は、味噌の表面にラップを貼るなど、なるべく空気に触れないようにすることがポイントです。風味を長持ちさせるため、冷凍庫での保管をおすすめします。冷蔵庫より冷凍庫の方が温度が下がり、変色も防げます。味噌は凍らないため、冷凍庫から取り出しすぐに使えます」(鈴木さん)
前出のマルコメも、白い紙を処分後は「味噌の乾燥を防ぐために開封した後、天面シールを剥がし、ラップで味噌の表面を覆ってください。保管は冷蔵庫または冷凍庫でお願いします」と呼びかけています。
(まいどなニュース・金井 かおる)