東京人も知らない東京 「地球の歩き方」の23区編の内容が濃厚 大田市場には穴場店がずらり!

個人旅行者向けガイドブックとして定評があった『地球の歩き方』。近年は、国内の各エリアに特化したものを続々刊行し話題になりましたが、ついに東京23区に特化した『地球の歩き方 東京23区 2024~2025』が刊行されました。

首都であり経済の中心でもある東京の街情報は世に多く出回っており、外国人旅行者であってもインターネット、SNS、スマホアプリなどを駆使すれば、それらを容易に入手することができ、そして合理的に旅行することができます。

『地球の歩き方 東京23区 2024~2025』は、定番のグルメ情報なども当然ありながらも、食に関する歴史、ルーツ、慣習なども深掘りしており、東京人でも知らなかった情報を紹介しています。また、各エリア、各スポットはこれまで観光客が訪れるような場所ではなかったところも深く掘り下げて紹介。さらにスマホアプリなどでは細部がわかりにくい移動術までを詳しく紹介しています。

■大田市場の観光の動線を詳細に解説

まずは「ディープな穴場店がずらり! 大田市場グルメを大解剖」というコーナーを見てみましょう。

大田区の大田市場は、日本最大規模の青果と花きの市場として、プロや近隣では名の知れた市場である一方、観光客が訪れる機会はごく限られていました。こういった良い意味で「観光ズレしていないスポット」にも深く迫るのも『地球の歩き方』流。この大田市場もまた深く、そして過不足なく紹介しています。

■大田市場

平成元年、青果の旧神田市場と荏原市場、水産の大森市場を統合して開設。現在は青果棟、水産棟、花き棟の3部門をもつ総合市場に。おもな飲食店は事務棟と関連棟に集中する。

<見学者コースを歩いてみた>

(1)事務棟スタート

正門に入ったらすぐ左を折れ、事務棟の入口を目指そう。中に入ると「見学者コース」のプレートがあるので2階へ。かんだ福寿も2回にある。

(2)展示室を見学

入場無料の展示室には、大田市場にまつわる情報パネルや市場内を走る運搬車両「ターレ」が展示されている。開室時間は市場開場日8:30~15:30。

(3)2階から見学

渡り廊下を通り、2回から青果棟と水産棟の様子を見学しよう。案内板もあるので理解を深められる。飲食店がある関連棟1階には降りていける。(本書より)

■東京駅の「天井が斜めの箇所」や「床のタイル」の解説も

「渋沢栄一も住んでいた 王子~板橋をディープに巡る」も見てみましょう。「渋沢栄一ゆかりの地」というのは確かにフックとして強く、王子にある「渋沢史料館」といった名スポットを案内する一方、「銭湯」「墓」といったかなりコアなスポットも紹介しています。

■滝野川稲荷湯

歴史ある名所を巡るなら、ぜひとも途中で立ち寄ってほしいのがこの銭湯だ。大正時代に創業し、隣にお稲荷様があったことから「稲荷湯」と呼ばれるようになったといい、現在は五代目夫婦が宮造りの建物や番台、ペンキ絵など、古きよき銭湯の姿を守り続けている。

■近藤勇の墓

明治9年、新撰組で二番隊組長を務めた永倉新八が発起人となって建立した墓所。副長・土方歳三をはじめ戦死した新鮮組隊士たちが供養されており、近藤勇の命日付近には、マイロ紙墓前供養祭が行われる。(本書より)

また、他のガイドブックでも多数の情報が出回る東京駅にまつわるコーナーでも『地球の歩き方』ならではの切り口として「東京駅をもっと知るための調査ファイル」というの紹介がなされています。

■タイルの秘密を解明せよ!

東京駅にはJR東日本とJR東海、ふたつの会社が乗り入れており、各管轄の境界線でタイルの色が異なるといわれている。また、八重洲中央口にはめ込まれたタイルと丸の内南口の切符売り場には、それぞれ濱口雄幸元首相と原敬元首相が襲撃された場所を表し、近くには事件の詳細が書かれている。

■ヤエチカのトリビアを開設

八重洲口の地下街は通常「ヤエチカ」。外堀地下1番通りを挟んで千代田区と中央区に分かれている。また、サイフォンコーヒーを楽しめる「アロマ珈琲」の天井が斜めになっているのは、もともと地下街が地下駐車場に付設する形で造られたため、駐車場へ向かうスロープ下に店があるからだ。(本書より)

■旅行者だけでなく東京在住者にも役立つ一冊

『地球の歩き方 東京23区』はこのように他ガイドブックはもちろん、インターネットのガイド情報にも負けない情報が満載。個人旅行者はもちろん、東京在住者にとっても役に立ち驚くはずの情報ばかりが全480ページにわたって紹介されています。

この内容の濃さにまず驚きましたが、本書の奥付を見てさらに驚きました。中段の「写真提供」には、これまでの本で見たことがないほどの提供元の無数の羅列がありました。

ある意味で、本書の内容の濃さを象徴する奥付です。スタッフの企画立案、取材、写真手配、執筆、校正校閲、レイアウト……その全作業を想像するだけで気が遠くなりますが、担当編集者に話を聞いてみました。

「2020年に『地球の歩き方東京』を発行したのち、読者からの『多摩が足りない!』の声にお応えし2022年に『地球の歩き方東京多摩地域』を発行しました。『多摩編』もご好評をいただき、一定のエリアの深堀りにニーズがあると再認識し、今度は『23区』だけに特化したガイドを作ろうということになりました。できるだけ23区すべての区をまんべんなくご紹介できるようにスポットを選びました。都内に住んでいる方は、ご自身の近くの知らなった場所や街の雑学をこの機会にぜひ楽しんでください。いよいよ外出や旅行の制限がなくなり、全国からも東京に気軽に遊びにいけるになりましたので、東京旅行を予定されている方にも東京の魅力を200%知ることができる一冊として手にとっていただけたらうれしいです」(担当編集者)

多くの日本人旅行者の旅を豊かなものにしてきた『地球の歩き方』。テーマとなる各地への敬意、旅行者にとって有益となる情報提供への思いは今もって強くあり続けることをも感じさせてくれました。『地球の歩き方 東京23区』、東京旅行のお供に必須の一冊です。ぜひ手にとってみてください。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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