うどんやそば、あなたは青ネギ、白ネギどっち?…東西で違う「砂ずりor砂肝?」「いりこor煮干し?」

 「うどんやそばに添えられてるネギ、皆さんの地域は白ネギ、それとも青ネギ?」こんな呼びかけを、地図情報最大手のゼンリン(福岡県北九州市)(@ZENRIN_official)がX(ツイッター)でおこない注目を集めました。

 ポストには北九州発祥「資さんうどん」の「ごぼ天うどん」の画像が添えられています。これに対して、まず「資さんうどん【公式】(@sukesan1976)」が「あおだよ」と返答したほか、さまざまな地域の人がうどんやそばの写真とともに回答を寄せました。

「三重県伊勢市在住です。こちらは青ネギです。ちなみに我が家は青ネギ農家です!」

「うどん、そばには青ネギでお鍋は白ネギです🍲(大阪人)」

「熱海は白ネギ、沼津が青ネギなのでまず丹那トンネルが一つの東西境界と言えますが…その他具材やダシの使い方など複数の要素があって関ヶ原までの間が一概に言えない感じで興味深いです。」

「確かに白ネギですね。白神ねぎも美味しいよ!(秋田)」

「東京のお蕎麦屋さんで天ざるを注文すると、白ネギが標準ですね。捨てられることの多い青い先端の部分は、お店によっては鴨南蛮を頼むと時々入ってます。」

「つゆの境界は関ヶ原ですが、ネギの境界は静岡県のどこか…というのが定説らしいです。でも、沼津の駅そばは青ネギだけど、静岡市に白ネギのところもあってはっきりしませんね」

 どうやら静岡県あたりを境に、東は白ネギ、西は青ネギのよう。「ねぎの代表的品種」について、農林水産省のページでは「ネギの品種は500以上あり、群として大別すれば、土を寄せて日光をさえぎり白くした葉鞘部を食べる白ネギ(根深ネギ)の加賀群と千住群、緑の葉を利用する青ネギ(葉ネギ)の九条群の3つになります」としています。薬味のネギは、先住群の根深ネギが関東を中心に成立している白ネギ、白い部分が短く緑の部分が長い京都発祥の九条群が青ネギです。

■ゼンリン「フォロワーさんの地的好奇心を刺激するようなネタを投稿」

 ゼンリンの担当者さんにお話を聞きました。

──関東育ちの関西人(両親が関西人)でどちらのネギも受け入れていたので、東西でネギの種類が違うことに気がついていませんでした…。東西で種類が違うと知られたときは、どう思われましたか?

 そもそも気にもしていなかったことなので、「まさかね…」というのが感想です。最初はそば/うどん別だとか温かい/冷たいとかによって違うものだとおぼろげに思っていました。

──ゼンリンさんは福岡県が本社なので、やはり青ネギに馴染みが?

 北九州の本社にいる社員や九州出身の社員に聞くと、やはり青ネギ一択のようですね。わたし自身は埼玉県出身なので白ネギですが…。

──社内では少数派ですね(笑)。リプライを総合すると、静岡県の中に境界があるような感じでしょうか。

 「だし文化の境目は関ヶ原」という有力な説がありますが、あれに近いものかなと思っていました。静岡県と神奈川県の県境付近で変わるようですね…。この、モノによって微妙に違うあたりにロマンを感じざるを得ませんね。

──ロマン…。

 え?感じませんか?(笑)

──感じる、かな…(笑)。いつもどんなことを意識されてポストされているのですか?

 地図情報を取り扱っている“当社らしさ”を強く意識しており、基本的には「地的」なネタを投稿するようにしています。地的とは「地図、地理、地域、地方、地形」などの「地」と「知的」を掛けた私たちの造語で、フォロワーさんの地的好奇心を刺激し、楽しんでもらいたいと考えています。

──プロフィールにも書かれていた「地的」とはそういう意味だったのですね。今回のネギネタも皆さん楽しまれていました。

 楽しみが先で、その後で「当社や商品の事を知ってもらえればいいと」考えていますので…私たちの投稿の9割はネタ系で、商品やサービスに関する情報は1割程度となっています。ネタを投稿すると、フォロワーさんから新たなネタを教えていただけるので、むしろ私たちのほうが楽しんでいるかもしれません。

──商品やサービスに関する情報なんてありましたっけ?と思っちゃうほどネタ満載です。

 普段地図をあまり見られない方でも、楽しくご覧いただけるようなネタをXでポストしています。よかったらフォローしていただけますと幸いです!

 ◇ ◇

 ゼンリンでは「煮干しorいりこ」「砂肝or砂ずり」の境界調査の結果も、過去に発表しています。ツユやネギとはまた異なる意外な境界線が知れて、こちらも楽しいです。

 また、全国区のうどんチェーンやコンビニはどうなっているのだろう?というリプライもあったので聞いてみました。

「セブン‐イレブンでは、全ての商品ではございませんが、地域によって『白ネギ』『青ネギ』の使い分けをしております。出汁についても、地域に好まれる出汁に合わせて変えております」(セブン&アイ・ホールディングス 広報センター)

「丸亀製麺では、色味とシャキシャキとした食感にこだわった『青ネギ』を使用しています。『だし』は全国で同じ味わいです」(丸亀製麺 広報)

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス