119番通報つながらなくても「電話を切らずにお待ちください」 東京消防庁の呼びかけが話題
東京消防庁の公式ツイッター(現X、@Tokyo_Fire_D)の投稿が注目を集めています。「119番通報をしてもつながりにくい場合がありますが、順次受け付けていますので、電話を切らずにお待ちください」(8月29日投稿より)。投稿を読んだユーザーからは「こんなことに…」「大変なんですね」「適正利用しないと」などの声が上がっています。
■「つながるまで切らないで」理由は?
同庁によると、呼び出し音は一般的なプルルルルという音。この呼び出し音が鳴り続けると、「担当者が出ない。もう一度かけ直そう」と思いがち。しかしそうすると、また一から順番待ちをすることに。行列で例えると、せっかく並んでいた列から離脱し、最後尾に並び直すことと同じです。
同庁では119番通報が急増した場合、職員を増強して対応しているそうで、「順次受け付けていますので、つながるまで電話を切らないでください」と呼びかけています。
また通報時の注意点として、「通報は一つの電話でお願いします」ともしています。1台に絞ってほしい理由は、回線の混雑を避けるため。
ダメな例として同庁がSNSで公開したイラストには、1人の男性がスマホや固定電話など、3台同時にやみくもにかける様子が描かれています。
「一つのけが・病気に複数の電話機で通報をすると、回線が混みあってしまい、受付の確認作業にも時間を要します」(同庁お知らせより)
■119番に「電気が消えない」
東京消防庁が令和4年中に受け付けた119番通報の件数は103万6645件(速報値)。統計上100万件を超えたのは初めてです。しかし約2割は緊急性のない問い合わせや、消防には関係のないものでした。
実際にあった通報の例は「今やっている病院を教えて欲しい」「症状の相談がしたい」「症状はないがコロナの陽性になりました。手続きを教えてください」「電気が消えなくなった。なんとかしてほしい」など。
同庁では「119番通報は緊急のダイヤルです。不要不急の通報を減らすことが、皆さんの安全安心につながります。救命処置が必要な方など、一刻も早く、真に病院に行く必要のある人のもとに救急車が到着できるよう、救急車の適時・適切な利用にご協力をお願いします」と訴えています。
■もしものときに備える人たちも
119番にすぐにつながらない場合は、近くの消防署や消防出張所に通報する方法もあります。緊急通報の手段の一つとして、東京消防庁をはじめ、全国の消防でも紹介しています。
SNS上には、自宅近くの消防署の電話番号を調べて、スマホに登録しているという声も。「スマホに最寄の消防署の番号入れてますよ」「消防署も警察署もスマホの電話帳に入れてる」など、もしものときのために備えているという人は多いようです。なお、消防署へ直接電話をかけた場合は、普通回線になるため電話料金が発生します。