レッサーパンダの追っかけに熱中する人たちの「パン活」を直撃 真夏は全身真っ黒、巨大カメラ持参で全国行脚…「休みとお金さえあれば投入」
真夏の動物園で、人気者のレッサーパンダに情熱を注ぐ人たちがいる。日焼け対策でウェアや帽子などは全て真っ黒。大きな一眼カメラを持ち歩き、リュックには自作したり購入したりしたレッサーパンダバッジやキーホルダーが! レッサーパンダ舎で、何時間も見守り、飼育員さんがおやつをあげるタイミングには“仲間”も集まってきてシャッターを切ったり。全国の動物園を行脚しては、レッサーパンダを追っかけているという。その名も「パン活」。一体、どんな魅力があるのだろう。
■つぶらな瞳に見詰められ
「休みとお金があればパン活に投入しています(笑)。みんなかわいいですが、個性もあって、“人間”模様が面白いんです」。そう話すのは、パン活歴2年程の大阪府在住・大谷典子さん。2019年、天王寺動物園で咲弥に凝視された。以前、自宅で一緒に暮らしたねこたちと同じシンパシーを感じ、レッサーパンダの世界にのめり込んだ。
年間パスポートを購入し、よく訪れる場所の一つが、神戸市の王子動物園だ。雄のガイア(19)と、息子のジャズ(6)、2017年に到津の森公園から繁殖目的でやって来た雌の野花(6)の3匹が暮らしている。でもなぜか、ガイアと野花が一緒の北園で、ジャズだけ別の舎に…!
「ガイアと野花が年の差パートナーなんです。ジャズよりパパのガイアと相性が合ったみたいで。でも、春の繁殖期には、ガイアと野花も接触が制限されていて…! 片方が放飼場の時は、もう片方は室内の交代制になって。お互いの歩いた場所を愛しそうに嗅ぐんですよね。赤ちゃんができても育てる場所がないのかなとか、いろいろ噂されているんですが…」。まるでドラマのように相関図を語ってくれる。家系を知ってくると、会いに行きたいレッサーパンダが増え、挙げるときりがないという。
■子どものために持ち歩く自作グッズ
動物園では、いろんな出会いもある。飼育員さんに、同じくパン活に励む仲間…。中でも、大谷さんが大事にしているのは子どもたちだ。
「かわいい」。動物園でレッサーパンダを見ていると、子ども大谷さんのリュックのレッサーパンダグッズを見つけて声を掛けてくるという。自作グッズを持ち歩いている時は手渡すらしい。
「レッサーパンダを可愛い、好きと思った気持ちを大人になってもずっと覚えていてほしいと願って。まずレッサーパンダのかわいさ、面白さが伝わればいいなと思っています」
(まいどなニュース・山脇 未菜美)