温浴施設の館内着、持ち去り被害続出「数が全然合いません」 ファンも怒り「立派な犯罪」「悲しい」
北陸最大級といわれる温浴施設「テルメ金沢」(石川県金沢市)で、利用者に貸し出した館内着の持ち去りが相次いでいます。夏向きの素材を使った半袖と半ズボンの上下セット。7月に新調したばかりの200着のうち、50着が館内から消えました。施設の担当者は「お客さまに快適に過ごして頂きたい目的でしたが、残念な結果になり、非常に悲しく、さびしい気持ちになりました」と嘆いています。
■施設担当者「本音は『返してほしい』です」
館内着は入館時に借りることができ、利用者は退館時の精算前に返却かごへ返す仕組みです。
担当者によると、夏休みシーズンの繁忙期が過ぎ、9月の閑散期に入ったため館内着の数をチェックしたところ、数が大幅に減っていることに気付きました。
同施設では公式SNSに館内着の写真を投稿し、「すみません、この館内着、在庫がなくなりそうで急遽足し増したこの夏限定のピンチヒッターだったのに、仕入れた時と数が全然合いません。すごく減っています」と現状を報告。持ち去った人に向け、悔しさを隠すように「持って帰られた方、やっぱり着心地良いですよね。でも出来れば返してほしいです!無理ならいいです!」と呼びかけました。
担当者は「本音は『返却してほしい』ですが、投稿で盗難品が戻ってくることは期待していません。館内着の盗難問題は、弊社だけでなく、全国のスーパー銭湯や健康ランドでは昔から抱えていた問題でして、今回の投稿で反響をいただければ、温浴業界の厳しい現実を知ってもらえるよい機会になると思い投稿しました」と苦しい胸の内を明かしました。
今後について、担当者は「入退館の流れが今すぐに変わる予定はありませんが、入館料にプラスしてアメニティ貸与料を頂くことも視野に入れております」と何らかの対策を検討していると答えました。
現在のところ警察などへの相談はしていないそうですが、「当初は今年12月に館内着リニューアルの計画を進めていましたが、今回の件を受けて、その計画自体も見送る可能性も出てきました」(同施設担当者)。
会社の計画をも揺るがす館内着の持ち去り問題。投稿を読んだ同施設のファンなどからは、「テルメ大好きだから悲しい」「持って帰るとかどんな神経してるんだ」「立派な犯罪」「窃盗ですよ」「『無理ならいいです』は、やさしすぎです」など、怒りや心配の声が上がっています。
(まいどなニュース・金井 かおる)