ガリガリで子猫と見間違える小ささ…見放すことができなかった 今は甘えん坊全開「懸命に看護して、命の大切さを教わった」
■瀕死の猫
くろまめちゃん(年齢不詳・メス)は、道路で倒れていた。福岡県在住のTさんは、たまたまスーパーに行く途中でくろまめちゃんを見つけて保護したという。
「瀕死の状態で、ガリガリすぎて子猫と見間違えるほど小さく細く、目はうつろで汚れた身体に衝撃を受けました。くろまめは私たちを見て必死に鳴き続けていました。その声が助けを求めているように感じ見放すことができず、なんとか助けてあげたいと思い、その場で保護を決意しました。すっかり弱りきっていて、とても大人しかったです」
保護して家に連れて帰ると鳴く気力もなく、とてもきつそうにしていた。保護してすぐに動物病院に連れて行くと重度の貧血だった。点滴等の処置を受け、その後は家のケージの中でじっと過ごしていたそうだ。真菌症という感染症にかかっていたので、先住猫とは2ヶ月間隔離生活をした。
名前は毛色が黒いことと、幸せになりますようにという願いを込めて縁起のいい名前をつけたいと思い、「くろまめちゃん」にしたという。
■人懐っこい甘えん坊
保護してから5日目にケージの扉を開放すると、くろまめちゃんは一目散に甘えてきた。
「それからというものすぐに膝の上に座ってくつろいで甘えてきます。元野良猫とは思えないほど人懐っこい性格です」
真菌症が治ってから先住猫のうすくちちゃんとこいくちちゃんに対面したが、先住猫たちはくろまめちゃんに猫パンチやシャーシャーばかりした。
「ここ最近になってようやく威嚇が減ってきて、うすくちとは追いかけっこして遊ぶまでの仲になりました!もっとうすくちと仲良くなりたくて自分から近づいていくのですが、なぜかいつも行動が空回りして、最終的にはニョロニョロと変な動きをしてしまい、うすくちに怒られています。こいくちとはまだ距離がありますが、お互いの匂いをかぎ時々鼻をくっつけて挨拶をするまでになりました」
くろまめちゃんは、甘えん坊で人懐っこくおてんばな性格で、おもちゃ遊びも大好きだ。
「くろまめが瀕死状態だったため、毎日懸命に看護をしていました。健康でいられることが当たり前ではないこと、命の大切さを教わりました」とTさんは言う。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)