新型出生前診断を知っていますか? 子どもがいる女性の認知度は約8割
医療法人社団ミネルバ(東京都港区)はゼネラルリサーチと共同で、5歳までの子どもがいる全国の女性1002人を対象に「NIPT(新型出生前診断)の認知度(以下、NIPT)」に関する調査を2023年8月にインターネットで実施しました。その結果、8割の女性が「NIPTを知っている」と回答しました。その一方で、「実際にNIPTを受けたことがある」と答えた女性は約2割に留まることが分かりました。
同医療法人社団によると、「NIPT」とは、血液検査だけで主にダウン症(トリソミーの可能性)について調べることが可能な診断方法で、胎盤に針を刺して羊水を採取する羊水検査(羊水穿刺)や、胎盤の一部を採取する絨毛検査といった他の出生前診断よりも安全性が高く、正確性も高い検査方法といいます。
はじめに、「NIPTの認知度」について調査をしたところ、77.7%の女性が「NIPTを知っている」(内容まで知っている:42.4%・名前だけ知っている:35.3%)と回答しました。なお、「実際にNIPTを受けたことがある」と答えた女性は21.8%でした。
「NIPTを受けなかった」人は78.2%でしたが、その理由を複数回答で教えてもらったところ、「医師から勧められなかった」(43.0%)、「受検の選択肢になかった」(27.3%)、「費用を捻出できなかった」(16.3%)、「NIPTを行っていない医療機関だった」(14.6%)といった回答が上位に並びました。
また、「NIPTのような出生前診断に対してのイメージ」についても同様に答えてもらったところ、「母体や胎児に影響がある」(31.7%)、「妊娠週数によっては受けられない」(27.8%)、「医療機関ごとに温度差がある」(26.8%)などが挙げられています。
続けて、「NIPTを受けた」と答えた170人に対して、「NIPTを受けたクリニック」について調査をしたところ、「認定施設(認証、認可など)」と答えた女性は81.8%、「無認可施設」と答えた女性は18.2%となり、無認可施設を利用している女性が一定数いることが分かりました。
同医療法人社団は、「日本の認定施設では、高年齢の妊婦さんや母体血清マーカー検査で染色体に異常がある方など、NIPTの検査対象になれる人が限られています」と説明したうえで、「検査対象から外れた方は認定施設ではNIPTを受けられないため、今後無認可施設の需要は増えてくるかもしれません」とコメントしています。
なお、「実際にNIPTを受けてみた感想」について回答者からは、「出産にあたっての安心材料になった。ただ費用が高額すぎた」(30代)、「費用が高額で、簡単に受けることができないのが難点」(40代)、「採血だけなので体に負担をかける事なく安心して受けられた」(40代)といった声が寄せられました。
次に、全回答者に対して「出生前検査の1つであるデノボ検査(父親の高齢化による精子の突然変異検査)の意向」について聞いたところ、「受けたい」と答えた女性は52.7%(条件次第で受けたい:43.3%・とても受けたい:9.4%)、「受けたくない」と答えた女性は47.3%という結果になりました。
また、染色体異常でダウン症候群の次に多い疾患である「ディ・ジョージ症候群の認知度」を調査した結果、56.6%の女性が「知らない」と回答した一方で、「内容まで知っている」と答えた女性は15.3%に留まっており、ディ・ジョージ症候群の認知度は高くないことが明らかになりました。
さらに、「NIPTには第1世代、第2世代、第3世代といった違いや、医療機関や検査会社によって検査や判定手法が異なるということをご存じですか」と聞いたところ、80.7%の女性が「知らない」と回答。
同医療法人社団は、「NIPTの世代によって、正確性や検出できる疾患、染色体異常の種類が大きく異なるため、どのNIPTを受けるかで精度に差が出てくることが推測されます」とコメントしています。
最後に、「今後、国(厚生労働省)が現在の認定基準を見直して、希望すれば誰でも精度の高いNIPTを受けることができる環境(認証制度)を作ってほしいと思いますか」と聞いたところ、74.7%の女性が「作ってほしいと思う」(ある程度そう思う:49.8%・とてもそう思う:24.9%)と回答したそうです。
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【出典】
▽医療法人社団ミネルバ/ミネルバクリニック