「冷たく暗い部屋で逝かせたくない」保健所に…といわれた19歳のシニア猫を助けて! 新潟→愛知へ「残りの猫生をともに過ごしたい」

「高齢猫ちゃんの里親様、ボランティア様を探しています…」

高齢女性が長年かわいがっていたというみーちゃん、19歳のシニア猫。保健所に連れて行かれてしまうとのことで、みーちゃんを引き取ってもらえる里親さんやボランティアさんを、ぱんさん(@490Craft)がX(旧Twitter)で呼び掛けました。

ぱんさんによると、みーちゃんの元飼い主さんは80代の女性。認知症や膝の骨の病気などを患い要介護となり、みーちゃんのお世話が難しくなってしまったとのこと。同居の息子さんも仕事で家を空けることが多く、女性の代わりにみーちゃんをお世話することはできないと判断。息子さんが保健所に連れて行こうとしていたといいます。

そんな息子さんから保健所に連れて行くためにみーちゃんを入れるキャリーを貸してほしいと連絡を受けたのが、ぱんさんでした。ぱんさんは「19歳までかわいがられて生きてきた子。最後、冷たく暗い部屋でいかせたくはない…」と思い立ち、みーちゃんを受け入れてくれる人を探すため、8月末日SNSに投稿したそうです。

■元飼い主は高齢女性、要介護に…お世話ができなくなった シニア猫を「引き取って!」とSNSで呼び掛け

そして投稿を目にした、保護猫活動をしているボランティアのぱなさん(@TPTR6R1kLFmPISp)が真っ先に手を上げ、みーちゃんを引き取ることに。投稿から約1週間後の9月6日、新潟県に住むぱんさんは、ぱなさんが住む愛知県内の動物病院へみーちゃんを連れて行きました。「愛知に連れて行く際も、元飼い主さんはみーちゃんにごめんね、と言って何度も泣いていました…」とぱんさん。みーちゃんの残りの猫生をともに過ごしてほしいと約束し、無事にぱなさんへ引き渡すことができました。

今は、ぱなさんのもとで穏やかに過ごしているというみーちゃん。引き取ることを決意した経緯やみーちゃんの様子などを、ぱなさんに聞きました。

■「保健所には行かせない」と愛知のボランティアが保護を申し出た

──19歳のシニア猫みーちゃんを引き取ろうと思ったのは。

「 Xでフォローしてる方のリツイートで、ぱんさんの投稿を見ました。普通の里親募集なら気にならなかったんですが、以前団体で活動していた時、私は保健所に収容される子の引き出しをしていたことがあります。保健所に収容された子たちがいる場所、そこにいる子たちのおびえた目やケージの隅で小さくなって震えてる子を目にして、私自身も1分1秒もいたくないと思う所でした。

また私がボランティアを始めたばかりの頃には、保健所からの引き取りを迷って失った命もあります…そんな所に高齢のみーちゃんが行くということは命の期限を付けられてしまうのも同然。それだけは避けたいと思い、近くの団体さんにご協力いただけるように拡散しました。それでも引き取り先が見つからなければ私が引き取りますとご連絡したんです」

──引き取った後、病院に診てもらったとのこと。みーちゃんの状態は?

「みーちゃんが今までどういう生活をしてきたか分からないので、血液検査で調べていただいたところ、脱水と貧血があり点滴と注射をしてもらいました。貧血の治療は、これから週2回注射を打つことに。また全身の毛玉がひどく先生もどうしたらいいかと思うくらいで、体の負担を考えて少しずつきれいにしていこうとなりました。このほか、耳の中の汚れもひどくて耳が聞こえているのかと思うくらいでした」

■シニア猫、貧血の治療を開始 ボランティア「最期を看取りたい」

──おうちにお迎えした時はどんな様子でしたか。

「家に来た日は貧血で体調が良くないのか頭が上がらない感じでした。ご飯もドライフードしか食べないと聞いてましたが、高齢で口が痛いのか食べなかったので柔らかい物をあげたら食べてくれて眼力も出てきました。ケージの外に出てもすぐに戻っていましたが、徐々にウロウロしながら歩くようにも。少しだけ環境に慣れてくれたかなと思います」

──残りの猫生をみーちゃんとともにどのように過ごしていきたい?

「今回みーちゃんは里親としてではなく、元飼い主さんの所有権放棄という形で書面を書いていただき、引き取りました。保護猫ということにはなりますが、家にいる子は保護猫も家猫もみんな愛しい子です。みーちゃんは看取りになりますが、幸せだなと思えるよう残された時間を寄り添って過ごしていきたいと思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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