【非迷惑動画】ヴァーチャルでも道頓堀ダイブ! 「メタバースの理想の使い方」「バーチャルなら誰にも迷惑かけない」阪神優勝で300人以上がドボン
阪神のリーグ優勝に合わせて、道頓堀川に飛び込む「道頓堀ダイブ」。過去には死亡例もあり、警察が強く中止を呼び掛けているが、次々に人々がダイブしていく動画がネットで拡散されている。といっても、これはバーチャル世界の動画。投稿のコメント欄でも「メタバースの正しい使い方」「誰にも迷惑かけないし、こっちの方が遥かに楽しそう!」と大好評だった。300人以上が同時参加したという、このイベントを呼び掛けたブロガーを取材した。
「阪神が優勝したのでバーチャル道頓堀を見に行ったら、みんな景気よくダイブしてて、なかなか良かった」
すずきさん(@michsuzu)がX(旧twitter)に動画をポスト(投稿)したのは、阪神のリーグ優勝から約1時間半後。戎橋(通称ひっかけ橋)から躊躇なく大勢のアバターたちが川に向かって飛び込んでいく。
「バーチャルなら飛び放題」「見ていて気持ちいい」「VRの世界であれば自由に飛び込んでもらってもいいですね ただ現実世界ではやめてほしいですね」とコメントが殺到し、9万を超える「いいね」、667万のインプレッションを記録した。
アバターたちが駆け回っているのは「VRChat関西部」が制作した「バーチャル道頓堀」だ。
すずきさんも「『バーチャル道頓堀』でダイブする集会をしよう」というネット記事を見て、参加したという。
ダイブの感想を聞くと、「家からでも臨場感ある形で、優勝の熱を共有する場に参加できるのは面白いなと思いました」。
一方で、大混雑していた現実世界の道頓堀の映像を見て「バーチャル世界、インスタンス(編注・バーチャル空間の個別単位)の人数制限さえなければ現実世界の混雑を緩和できた可能性がある……」とも語り、バーチャルの将来性にも期待する。「単なる代替を超えたものになれば、いろいろ変わってくるんじゃないかなと思います」
今回の集会を呼び掛けたのは、VR・バーチャル分野のブロガーとして活動する燕谷古雅さん(@Tsubameyakoga)だ。燕谷さんにも話を聞いた。
ー今回の道頓堀ダイブを呼び掛けたきっかけを教えてください。
9月13日のお昼頃、阪神の「アレ」のマジックがもうすぐなくなると今頃気づき、何か需要がありそうなイベントを思いつきました。夕方、突貫でポスターを作って投稿してみたら、予想以上の反応がありました。元々誰がやるのかわからないからイベントをやらないのですが、前もってアンケートをとってみたら、500人以上投票されて、賛成派が9割を占めてました。これはやらないといけないと思い、イベントを決めることになりました。
私はVRの知り合いに野球ファンが少ないので、誰かやらないだろうと思い、自分で思い切ってイベントを発案しました。
ー参加者はどのくらいいたのでしょう?
私のイベントのホストインスタンスはFriend+ですが、インスタンスが殺到するため、分散したり他の人でイベントをすることを勧めました。
私のインスタンスの場合は退出者を含めて50人ほど参加していました。知り合いの情報では複数のインスタンスをまとめた同時接続者数が300人以上いて大変驚いています。
ーやってみての感想をお聞かせください。
私はイベントの主催経験があまりないので緊張していました。取材の方が来ていて、その前に混雑させないように指導もしました。たくさんの参加者もいて、人を捌くのに大変でした。
私はヤクルトとホークスのファンですが、このイベントを誰かやるかと思いました。贔屓じゃなくてもみんなでワイワイ楽しめる機会を作ろうとこのイベントを開いた甲斐がありました。
みんなで揃って道頓堀にダイブし、熱烈な阪神ファンの参加者が関係ない人も巻き込んで六甲おろしの大合唱もしましたし、場が一つになりました。阪神ファンの参加者やVRChat関西部の方から大好評をいただいています。
自分のパソコンの動作負担が気にするようになり、途中で回線が落ちたことがありました。それでも無事にイベントをやれてよかったと思います。
現実では行けなくてもバーチャルで場を提供して解決するのは本当に良い方法ですし、これこそがメタバースだと思い知らせました。
ー今回の反響を受けて、クライマックス、日本シリーズでも実施する計画は?
それはグッと堪えたほうが「願いが叶う」と信じています。岡田監督のように「もし『そう』ならば、『アレ』はします」よ。一応、言い回しですよ。
ポストシーズンの時は楽しみに待ってほしいですね。
(まいどなニュース/神戸新聞・前川 茂之)