オムツ介助なんて「むしろ楽しいくらいだぜ」 介護の仕事の「本当にしんどいところ」とは…職員のリアルな告白が話題

介護職の実際の"大変さ"がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのはジッピーさん(@zippy_desu)が投稿した

「友人の友人に、介護してますと言ったとき、『大変ですよね』と聞かれたから、『逆に何が大変だと思います?』って聞いてみたら、『爺さんや婆さんのオムツ替えたり、抱えたりするところ』って言われて、やっぱり何にもわかってないなって思った。介護の仕事のしんどいところはそこではなくて、転倒させてはいけないプレッシャーや、暴言、暴力のある利用者さんの対応なんだよなぁ。ニュースのせいで、介護職が虐待しまくってるイメージがあるけど、その100倍くらい叩かれたり、罵られてる職員がいることを忘れちゃいけない。オムツ介助なんてむしろ楽しいくらいだぜ。」

というエピソード。

どんな仕事も表面的なイメージと実際の内容は異なるもの。ジッピーさんの"友人の友人"はおそらく介護職に興味はなく、介助作業以上に大変なことがあるなど想像もつかなかったのだろう。

今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「実際に働いてる方しかわからない、テレビなどメディアでは取り上げられないところですよね」

「老人じゃなくて知的障害ですが、私も殴られたり、つねられたり、噛まれたり髪引っ張られたり、物壊されたり、暴言も色々ありますねー 悪気がないのわかってるので全然許せますけどね 職員の考え方の違いで腹立つことはよくありますね」

「新生児育児の大変さと似ているのかな。オムツをかえるのが臭いとか抱っこすると重いとかじゃなくて、死なせない重責とか万全のケアしてても何度も大声で泣かれるとかが大変なんじゃ?という(介護職も育児も未経験ですが)。調べない・興味ない人ほど危機管理や精神的負担が想像の外なのかなと思う」

など数々の共感の声が寄せられている。

ジッピーさんにお話を聞いた。

ーー今回のような誤解を感じることはよくあるのでしょうか?

ジッピー:今回とは別の友人にはなりますが、「介護は誰にでもできる」とか「底辺の仕事」だとかっていう話を未だ耳にします。

また、NHKののど自慢を見た時に、出演者が「介護してます」と言ったときに、司会者が「おぉ、大変ですねぇ」と返した場面があったのですが、「どの仕事も大変なのは同じで、介護だけが特別じゃない」って思いました。ただ、給料に見合っていないのは確かなので、そういう意味では大変な仕事なんだと納得する部分もあります。

ただ今回のツイートでもそうですが、排泄介助など世間から見えている部分は介護職員にとってはなんてことのない日常であり、転倒予防、利用者からの暴力、暴言、家族対応など世間が知らない部分こそが辛い部分なので、そこのギャップは大きいと感じています。

ーー見聞きされた利用者とのトラブルで印象的なものをお聞かせください。

ジッピー:40歳の男性介護職員が利用者の80歳のお爺さんの手引き歩行をしていた際に、突然思い切り足を踏まれ、一緒に転倒するという出来事がありました。男性職員は足を骨折し全治3カ月。利用者は無事でしたが、家族は「転倒は防げなかったのか」と職員を責め、責任を感じ退職していきました。私も実際に介助中にメガネを壊されたり、皮膚を引っ掻かれ怪我をすることがあり、「危険手当」のような介護職員を守ってくれる補償制度があればと常々思っています。

ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。

ジッピー:やはり、介護の仕事そのものというよりは、人手不足や低賃金など劣悪な環境にもかかわらず高い質を求められたり、それができないことが原因で家族に責められ、悩んだり苦しんでいる方々が本当に多いということが分かりました。

   ◇   ◇

高齢化著しい日本において介護職はきわめて重要な職種と言える。待遇の改善はもちろん、世間の理解やリスペクトが深まることを期待したい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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